
更新日:2010年8月19日(木) 【子どもと美術館】
「子ども学芸員の旅」 2日目 をご紹介します。
一年目・二年目の「旅」では、通り抜けるだけだった瀬戸内海の島、因島(いんのしま)。
2日目は、その島の文化施設として、今年からプログラムに加わった 「本因坊秀策囲碁記念館」 でスタートです。
御調町の「ふれあいの里」からは、車で約一時間。 尾道市は広いですね。
本因坊秀策は、今なお語り継がれる江戸時代の囲碁の名人"棋聖"です。
その人柄にまつわる話や、関連資料も残されており、彼の故郷である因島で展示されています。
ここでは、本物の碁石と、小さめの「9路盤」という碁盤を使った「石取りゲーム」を体験します。
地域の「碁ランティア」さんが指導してくださいます。
四方を囲まれたら石を取られる、
「先に、相手の石を3つ取った方の勝ち」というルールで3回勝負です。
ほとんどの子どもが初めてで、「???」 が浮かんでいましたが、始まると熱中!
白熱した対戦を繰り広げました!
白黒の石と、縦横の線。
物体としては非常に単純ですが、ルールが奥深く、駆け引きのドラマが展開しています。
先を読む力がものを言う勝負。
私も見ていて、普段あまり使っていない頭脳を回転させたようで、すっきりしました。
「礼」に始まり、「礼」に終わる。
勝負が終わったらお互いの健闘を称え合う。
といった、囲碁の精神も格好いいですよね。
おみやげに囲碁セットもいただきました。これに、またまた大喜び。
早速バスの中でやり始める子も・・・。 石をなくさないでね~!
みんな楽しく、地元の伝統文化に触れられたのではないかと思います。
さて、バスはおとなりの島、生口島(いくちじま)の瀬戸田町へ向かいます。
前方に見えるのは生口島大橋です。
次回は、瀬戸田の耕三寺博物館のプログラムをご紹介します!
お楽しみに。
更新日:2010年8月13日(金) 【子どもと美術館】
はやいもので、もうお盆ですが、子ども学芸員の旅、報告シリーズその4です。
今日は、御調の圓鍔勝三彫刻美術館での「マイカップづくり」をご紹介します。
ここでは「手びねり」という手法で、陶芸に挑戦。
陶芸作家の金野光賀先生が指導して下さいます。
やわらかな土に触れ、手で形を作っていくこと。
とてもシンプルなのに、なかなか思うようにいかない。 これはもう理屈抜きに夢中になってしまいます。
中には、昨年に続いて2回目の挑戦の子もいます。去年よりもっと上手にできたかな??
そして金野先生の、電動ろくろの演習では、その技に感動。
あっという間に美しい形ができあがる様は、まるで魔法のようで
子ども達はもちろん、スタッフの大人達からも、歓声が上がります。
あまりに無駄のないその動きは、簡単なように見えるのですが
子ども達が挑戦してみると、やっぱり難しいのでした・・・。
さて、ここまで出来上がったカップは、金野先生に託されます。
高台づくり → 素焼き → 釉がけ → 本焼き と工程を経て、素敵なカップに仕上げていただいて届きます。
もちろん、なかた美術館で開催する「子ども学芸員の旅 作品展」 で展示しますよ!
この日の夜は、ここからすぐ近くの 「天然温泉 尾道ふれあいの里」 宿泊。
旅のなかで「みんなとの夜更かし」が一番楽しかった!なんて言ってる子もいましたが・・・
初日から、すでに盛りだくさんですね。
まだまだ第二日目もあるのです。お楽しみに!!
更新日:2010年8月6日(金) 【子どもと美術館】
MOU尾道白樺美術館[尾道大学]のワークショップ 《絵画の中の眼》をご紹介します。
尾道白樺美術館では、毎年尾道大学芸術文化学部の学生がワークショップの発案をして取り組んでいます。
今年は「日本画」「油画」「デザイン」の3つのコースのうち、「日本画」コースの学生によるワークショップが行われました。
出品作品の一部がコピーされた紙の中から、好きなものを選びます。
「作品の一部」を、トレーシングペーパーへ写します。
トレーシングペーパーを、さらに組み合わせて、その上から「線」をなぞり、カーボン紙で画用紙に写しとります。
何回も「複製」を繰り返している事になりますね。 最後に色を塗って完成です。
これは日本画を描く際につくられる「下図(したず)」の方法をアレンジしたものです。
日本画が描かれるのは和紙。
和紙がいくら丈夫でも、鉛筆で「ああでもない、こうでもない」と描いたり消したりすることはできませんね。
また、日本画で使う「岩絵具」は、下から順に何を塗るか・どう塗るか、すべてが仕上がりに影響します。
だから描く前に十分かたちや構図を検討して、なるべく無駄のない計画をたてなければなりません。
そのために「下図」という、いわば設計図のような下書きをまず描き、本番用の和紙に正確にトレースしていくというのが、通常の描き方です。
ワークショップでは、まるで絵画の構想を練るように、モチーフの位置を変え、反復させたり、組み合わせを工夫することで、子ども達が新しい作品を創っていきました。
「複製」と「作品」の関係。
オリジナリティとは?? といった、深いテーマへも導けそうですね。
興味深いワークショップでした。 ありがとうございました!
まだまだ第一日目のレポートは続きます!
次回は圓鍔勝三彫刻美術館のワークショップをご紹介します。
お楽しみに。