ワークショップ『パリの額縁職人』を開催しました
更新日:2023年4月12日(水) 【nakata Labs なかたラボ】
先日のワークショップ『パリの額縁職人』の様子をご紹介します。
当初は工芸も学んでいた画家ポール・アイズピリにちなんで、額縁づくりを行いました。
まずは美術館のなかで、作品がどんな額縁に入っているか観察していきます。
作品はもちろん様々ですが、額縁も様々なものがあります。
とても分厚いもの、薄いもの、シンプルなもの、入り組んだ彫刻があるもの、手書きで模様が描かれたものまで、作品を保護し、引き立て、目立たせる、様々な機能を持っています。
この日は天気もよかったので、外にテーブルを出して作業をしました。
本来の額縁づくりでは木を彫ったり、型取りした石膏で装飾しますが、今回は土台となる額縁に木片や貝殻を貼り付けて装飾していきます。
木片の形はシンプルな三角や長方形だけ。どんな模様が作れるかは並べ方次第です。
こちらの貝殻は併設のレストランからもらった鮑貝です。
よく洗って、砕いて、尖ったところには少しヤスリがけをしました。
天然の光沢とランダムに割れた形が、なんとも魅力的です。
鮑貝には東洋の螺鈿(らでん)に使うものというイメージがありますが、貝を用いた装飾は世界各地に見られます。
パーツをそれぞれのリズムで並べると、楽しい模様ができていきます。
裏の留め金をつけるため、インパクトドライバーにも挑戦しました。
気をつけて使えば、簡単にネジをつけることができますね。
当初は木片をつけたあとで、全体を塗装してアンティーク風に仕上げる予定でしたが、
みなさん素材そのものの色を生かした素敵な模様をつくっていたので、無塗装で仕上げることにします。
時間が余った方は、額縁に入れる絵を描いたり、庭で拾った花を押し花にしたりしました。
ちょっとした作品も、額縁に入れることでより作品らしく見えるから不思議です。
何を入れるか考えるのも楽しいですね。
ぜひご自宅でも、いろんなものを試しながら、飾っていただけたら嬉しいです。
ご参加の皆様ありがとうございました。
みなさんも、ぜひ絵画を鑑賞する際は、額縁にも注目してみてくださいね。
ワークショップ「尾道水道を渡る渡る船」を開催しました
更新日:2022年11月25日(金) 【nakata Labs なかたラボ】
こんにちは!
先日開催したワークショップ「尾道水道を渡る船」の様子をお伝えします。
尾道は古くから造船業が盛んな街で、本州側の中心市街地と対岸の向島の間にある「尾道水道」には修理を待つ船やタグボートが行き交っています。造船所では大きなタンカーも見ることができます。
また尾道水道には住民が通勤や通学のために使う「渡船」も行き交っていて、尾道では暮らしのすぐ側に船があり、とても馴染み深い乗り物なのです。
展示している尾道の風景画の中にも、船がたくさん描かれています。
今回のワークショップでは、身近にある船や憧れの船、空想の船を作ってもらいました。
船の土台となるのは断熱材。あらかじめ船の甲板の形にカットしています。
軽くて加工も簡単な、便利な素材です。
針金やストローを刺したり、テープを巻いたりして装飾していきます。
例えば、こんな風にプスプスっとストローを差し込んで
屋根をつけると、日除けつきの釣り船になりました!
こちらは消防艇。たくさん放水できるように赤いストローがたくさん付いています。
断熱材を積み木のように重ねて、豪華客船のイメージ。
たくさんの人が乗れそうですね。
こんな工夫も。
小さな木片に人やカーテンが描かれています。
船に貼り付けると窓になりました!
人が船から外を覗いているようです。
カラフルなシールでタイヤを表現して、可愛らしい船になりそうです。
船が出来上がったら、水上を走らせてみました。
実は船の下には手廻しのスクリューを取り付けています。
スクリューを回して、そおーっと水に浮かべます。
「東京消防庁」のカイトもついてかっこいい!
素敵な配色の船。
こんな船があったらぜひ乗ってみたいです!
円窓が印象的な船。どんなところも走れそうです。
忠実に再現された豪華客船。
屋上にはテニスコートやプール、救命ボートも付いています。
海の上でのんびりと暮らせそうな船です。
出来上がった船はどれもこだわりの詰まった楽しい船になりました。
参加者の皆さん、ありがとうございました!
ワークショップ「週末の絵画教室」を開催しました
更新日:2022年8月31日(水) 【nakata Labs なかたラボ】
先日、「週末の絵画教室」と題して、
普段なかた美術館で開催している「木曜日の絵画教室」のスペシャル版を開催しました。
今回は、プログラムの一つとしてよく取り組んでいる模写やクロッキーを2日間にわたって開催しました。
まず1日目は人物クロッキー。先生はピエール・クリスタンです。
クリスタンは街中の人々をたくさんスケッチしています。
作品に登場する人物が生き生きとして見えるのは、積み重ねたスケッチの賜物なのだと思います。
食事をしている人、身を乗り出して話をしている人、しかめっ面で新聞を読んでいる人…
気になる登場人物を小さなスケッチブック に模写します。
クリスタンが描くユーモラスな人物像をよく捉えていますね!
たくさん模写した後は、参加者同士でお互いを描きあいっこしました。
動いているから描けない!という声も挙がりましたが、
何かを見て描くことは、そっくりそのまま描き写すことだけではないのですね。
みなさんお互いの特徴をうまく捉えていました。
2日目の先生はポール・アイズピリ。
「小鳥と少年」を参考に、色鉛筆や色紙を使って塗り絵とコラージュをしました。
アイズピリの絵は、散りばめられた色と形が印象的ですが、
みなさんアイズピリに負けじと自分の色彩感覚で色を塗っていました。
色を塗り終わったら、いろんな形の色紙を貼り付けていきました。
完成したものがこちらです!
大胆なコラージュの子もいれば、中には鳥の羽を一枚一枚描いて繊細な表現をしている子もいました。
同じモチーフに取り組んでいたのに様々な表現の「小鳥と少年」が完成しました。
通常の絵画教室では、一つのプログラムを長い時間通して取り組みます。
今回はその中の一部に触れてもらいましたが、絵を描くときのヒントになっていれば嬉しいです。
参加者の皆さんありがとうございました!
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。