広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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「風」と「景」を見つけよう

更新日:2012年11月30日(金) 【nakata Labs  なかたラボ】

ちょっと遠くの生口島から「アートスクールバス」を利用して子どもたちが来てくれました。

瀬戸田小学校、東生口小学校、南小学校の3校から、

3年生(と4年生が少し)で、総勢71名のみなさんです!


 

 

今回は「風景画 fukei-ga」展の観賞を、ワークショップ形式で行いました。

昨日の記事にも少し描きましたが、「風景」はもともと「風」と「景」(=光と影という意味)が組合わさった言葉。

なので、展示している作品の中から、「風」と「光と影」、それぞれを感じる部分を見つけてみよう。

そして、その部分をスケッチしてみよう!という内容です。

 

 


用意したのは、こんなワークシート。



「額縁」を印刷しています。こ、これは可愛い・・・!

ただの四角よりは、この額の中にスケッチしてもらうほうが楽しいですよね。

 

 

「光」と一口に言っても、さまざま。

明け方の光、夏の昼間の明るい光、横から射す強い光、暗闇の中のぼんやりした光・・・。



どんな光が見つかったでしょうか。


 

そして「風」。

目に見えない空気の動きを、絵画という動かないものの中に感じるのは、ちょっと難しいです。

でもその分、感じた瞬間、嬉しくなりますよね。


どれが正解、ということはないのですが、

この写真の ↓ 左側の作品が人気でした。


空に、黄色い凧が揚がっているのが見えますか?

ポール・アイズピリの《サンセバスチャンの凧揚げ》です。

すばらしい推理!

そしてやっぱりみんな、よく絵を見てくれています。

 

 

 

たったひとこと意識するだけで、作品に対する想像がふくらみますね。

そしてやはり手を動かすと、心を開いて作品に向き合えるようです。

ワークシートのスケッチも、みなさん素晴らしくて、集めて画集にしたいくらいでした。

みなさん、どうもありがとうございました!

 

 

 

キッズ・ワークショップのお知らせ

更新日:2012年11月29日(木) 【nakata Labs  なかたラボ】


12月1日(土)13:30〜15:00

定員:20名
対象:小学3年生まで(親子可)
講師:当館学芸員

参加費:子ども一人につき500円
持ち物:デジタルカメラ


もう今週末になりましたが、ワークショップのお知らせです。

「風」は、そのまま風。

「景」は、光と影。

それぞれ、そういう意味があるそうです。

澄んだ空気に、風はぴりりと冷たく、光がきらきらと眩しい。

肌の感覚が研ぎ澄まされる季節になりました。


今回は、デジタルカメラを持ってきて下さい。

展示作品や、庭で見られるものを写真に撮ってみます。

その写真をフォト・コラージュにして、新しい風景画を作ってみましょう。


まだ参加を受け付けておりますので、ぜひ!




 

観賞ワークショップを行いました!

更新日:2012年10月26日(金) 【nakata Labs  なかたラボ】

先日、尾道市内の中学校の美術の先生方が、研修に来てくださいました!

いただいたリクエストは「観賞教育について」ということで、はりきってワークショップを行いました。

今回取り組んだのは「フォトコラージュ」。

一人一人、気に入った作品をデジカメで撮影し、その写真を使ってコラージュ(貼り絵)作品を作ってもらいます。

 


撮影のポイントは二つ。

1.作品の全体を、八分割して撮影。

2.自分がいいなと思った部分を一箇所、アップで撮影。


こうしてできた合計9枚の写真を、パズルのピースのように組み合わせて貼りつけます。

この時、「いいなと思った部分」の写真が、一番上に重なるようにします。


 

もちろん、ぴったり八分割になんて撮れませんので、大きさも、位置も、角度もちぐはぐ。

それを、もとの作品に近づけようとしても、どうしてもずれてしまいます。

そうやって作業をしていると、新しい形や、面白い形が見つかって、思い切ってずらしてみたくなったりします。


山の端を長くつなげてみたり、海が遠くまで続いていたり・・・

そのせいでキャンバスの形がどんなにガタガタになってもOKです。

 

カメラを通したり、印刷された状態で見ることで、作品に直接向き合う時の緊張や、照れくささが薄まり、

コラージュをしている間も、じっくり作品を観察しているので、細かい部分に気づいたりします。

 

 

スーツ姿の大人達が、美術館でもくもくと作業。

こういう光景が、色んな美術館でも見られるようになればなあ・・・と夢がふくらみますね。

 

 


さて、もうひとつの作業は、作品の中に描かれているものを、言葉で書き出すこと。

今回は、後で並べ替えられるように付箋を使いました。



「青い海」、「小さな雲」、「遠くの山」・・・

まずは単純なこと、当たり前に見えるものから、どんどん書き出していきます。とにかくたくさん。

徐々に詳しく、自分しか見つけられないような言葉を書き出せるといいですね。

 

たくさん書けたら、自分のフォトコラージュ作品を印刷したワークシートに、付箋を貼り込んでいきます。


 

 

 

ここで大事なのが整理することです。

書き出した言葉を一旦並べてみて、どの言葉がより大事か、より作品について分かりやすく言い当てているか、優先順位を考えながら並べ替えます。

新たに書き足しても、矢印で結んだりしても良いですし、いらない言葉は捨てても良いです。



こうして目に見える形にすると、作品がどう見えたのか、自分が惹かれたのは何か、すこし客観的に考えることができますよね。

そして観賞教育というと、様々な「言葉」を話したり、読んだり、あるいは書いたり・・・言葉に重きが置かれますが、

今回は、言葉と同時に手を使うことで、より自然に作品を解きほぐすことができたのではと思います。


 

最後、ワークシートと元の作品を見比べてみました。

ワークショップの後だと、元の作品も、さっきとは違って見えてきます。

自分が取りくんだ作品についてはもちろん、誰かの取り組みや、言葉を共有することで、作品の見え方がぐんと広がります。


 

美術に携わっておられる先生方とのワークショップは、私達にとっても大変貴重な時間となりました。

これからもこうして、どんどん活用の機会をいただければ嬉しいです。どうもありがとうございました!



 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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