
更新日:2024年7月23日(火) 【nakata Labs なかたラボ】
7/21(日)に、鑑賞ワークショップ「〇〇でみる鑑賞会」の第2弾「もじでみる鑑賞会」を開催しました。
このワークショップでは「目」以外を使って作品を「みる」ことにチャレンジしました。今回は「もじ」で作品を見てみます。
絵を見て感じたことを書き留めて、参加者同士で交換日記のようにお互いが書いたことを読みながら、色々な作品を鑑賞しました。
まずは用意された鑑賞シートを参加者の方それぞれの手に取ってもらいました。「絵の中はどんな季節?」「どんな香り?」「どんな音がする?」「天気は?」「気分は?」と、色々な質問が書かれたシートを持ってじっくりと作品を見てみます。
文字や、文字だけでは足りない部分は絵も織り交ぜながら書かれたシートを、参加者同士で交換しながらまた作品を鑑賞する……これを繰り返し、色々な作品を見てやってみました!
はじめはポール・アイズピリの《骨董商》を全員で鑑賞しました。それぞれが記入した鑑賞シートを交換してもう一度見てみます。最初に自分が書いたシートが手元に戻ってくると、そこには他の人が書いた文字も残っています。
その後は参加者それぞれが好きな作品を見つけて鑑賞してシートを書き、さらにそれを交換してまた別の人にシートに書き込んでもらいました。最初は自分が好きな作品を見つけますが、シートを交換した後はそのシートに書いてある作品を見ることになります。普段は素通りしてしまうような作品でも、じっくり見ることができたのではないでしょうか。
参加者の方からは「自分とはちがう視点を知ることができて楽しかった」、「シートの上で作品に対する色々な見方や意見がぶつかり合っていて面白かった」、など色々な感想を聞く事ができて嬉しかったです!
書き終わったシートは、他の質問のシートと合わせて、それぞれ好きなリボンでまとめて1冊のノートに仕立てました。
また美術館で作品を見る機会があれば、ぜひ今日のことを思い出しながら使ってもらえたら幸いです。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
今回のワークショップは、尾道市美術館ネットワーク特別企画「ミッション・イン・ミュージアム2024」のイベントの1つでもありました。ご参加いただいた皆さまには、なかた美術館オリジナルデザインの鉛筆をプレゼントしました。
次回の鑑賞会も空きがありますので、ぜひふるってご参加ください!
更新日:2024年6月2日(日) 【nakata Labs なかたラボ】
皆さん、「プラバン」をご存じですか?
熱を加えると縮む性質を利用したプラスチック製のホビー用品で
ペンで好きな絵を描いてキーホルダーなどを作ることができます。
先日開催したワークショップ「絵画のブローチを作ろう」では
プラバンを使って展示作品のブローチを作りました!
まずはじめに、館内をゆっくり巡りました。
小さなプラスチックの板にペンでドローイング。
色んな絵のかけらが集まりました。
プラバンのいいところは透明なので絵を写し描きができるところ。
好きな絵のコピーを選んで転写します。
写して描くことは「ずるい!」と思うかもしれませんが
転写していくと、その作家のタッチや色の重ね方の特徴をつかむことができ、
絵を描くのが苦手な方でも、気負わず取り組むことができます。
転写したらオーブントースターで焼きます。
しばらくすると熱によって縮まってきます。
しゅるしゅるしゅるー!と、みるみるうちに小さくなりました!
出来上がったブローチをいくつかご紹介します。
今回の描画材として使った油性ペンは鮮やかな発色なので、
同じく鮮やかな色彩が印象的なポール・アイズピリの作品が人気でした。
アイズピリの絵には、実は色がたくさん隠れています。
肌の色には緑や青、紫などいろんな色が使われていますが、ペンでうまく表現されています。
こちらは香月泰男の「芙蓉」。
りぼんを使ってデコレーションを施してくれました。
こちらの2点は鈴木信太郎の「ばら」。
軽快な筆致まで再現されています。
小林和作「夏の果物」。
ペンの太さを変えながら背景の油彩の表情を表現しています。
どのブローチも、少ない色数をうまく組み合わせながら、
油絵の色味を忠実に再現されていました。
そしてこちらは番外編。
導入として描いたドローイングもオーブンで焼いて、キーホルダーに仕立てました。
透明な素材に、それぞれの線のタッチが生きていて素敵です。
胸元に、カバンに、色んなシーンで使っていただきたいですね!
参加者の皆さん、ありがとうございました!
更新日:2024年5月1日(水) 【nakata Labs なかたラボ】
爽やかな風が心地よい季節ですね。
先月のワークショップでは、そんな季節にぴったりのモビールを作りました。
モビールは、薄い板状の素材を糸や棒を使ってバランスの取れた状態で吊るしたもので、
空気抵抗によってゆらゆら動く姿は「動く彫刻」とも呼ばれます。
今回はカラーペーパーを使って、ある形を作りました。
それは、展示作品にもたくさん描かれている花の形。
アイズピリの描いた花はかなり単純化されていますが、
なぜ花だとわかるのでしょう。
実物の植物と見比べながら観察してみると、花びらや葉っぱの付き方や形、
茎の動きなど特徴を押さえているのがよく分かります。
形が左右対称だったり、おしべやめしべのようなものが描いてあったり
花びらの薄くてひらひらした様子も伝わってきます。
洋服や背景にも花の模様を見つけました。
こちらは高田誠の作品。
点で描かれているのは、ユリ、バラ、ガーベラ、スイセン。
いい香りがしてきそうです。
繊細なかすみ草の表現に、点描が効果的に使われています。
作品に描かれた花や実際の花の特徴を思い出しながらモビールを作っていきます。
ガーベラやヒマワリのように、花びらを輪になるように繋げたり
対照的な形を意識して花びらを規則的に貼り付けたりしました。
こちらは寒色でまとめられたキレイな花。
まるでヒマワリに見られる管状花と舌状花のようで、
単純化されつつもリアリティのある花になってきました。
型取りをして、ピンクの花びらを1枚ずつ丁寧に作っています。
どんな花に仕上がるのでしょうか。
吊るしても安定するように、帽子のような形にしました。
そして最後に糸で吊り下げて完成!
くるくるとゆっくり動く姿は、
まるで花びらが舞っているようで、見ていてとても心地よかったです。
参加者の皆さん、ありがとうございました!