広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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親子ワークショップ「秋のくるみボタンづくり」を開催しました。

更新日:2015年11月17日(火) 【nakata Labs  なかたラボ】

 

寒くなり夜の時間が長くなってくると、家でゆっくり針仕事をしたくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

先日、親子ワークショップ「秋のくるみボタンづくり」を開催しました。

 

 

くるみボタンは別名「包みボタン」とも言われ、アルミなどでできたボタンの芯を布でくるんで(包んで)作ります。

かたちもコロンとしてかわいらしいので、てっきり木の実の「胡桃」が名前の由来だと思っていました…。

講師には、服飾家「*M.」として尾道で活動されている三上美香さん。

 

 

三上さんの作る洋服やかばんは、かたちや柄がかわいらしく、とても丁寧につくられたものばかりです。

今回は三上さんに指導をいただきながら、刺繍をしたり布専用のクレヨンで絵を描いたりした布を使って、

くるみボタンを作りました。

 

まずは美術館の中の作品を見ながらドローイングをしてもらいました。

 

 

真剣なうしろ姿…

一生懸命描いてます!

 

 

風景画の中にはいろんなかたちの木や家、動物や人が隠れています。

みなさんじっくり作品をみながら、たくさんのかたちを見つけ出してくれました。

 

 

今回は親子ワークショップという事で、小さいお子さんもたくさん参加してくださいました。

針を使うと危ないのでは?と思われるかもしれませんが、

刺繍枠を使うとお子さんでも比較的安全に刺繍ができます。

 

 

布にまるい型を描いて、その中にデザインしていきます。

ちくちく、ちくちく。ひと針ずつ丁寧に。

 

 

 難しい糸通しもがんばってます!

 

 

どんなボタンになるのでしょう。

 

 

布へデザインしたら、専用の打ち具をつかって仕上げます。

打ち具の中に、まるく切り取った布とボタンの土台をつめて

金づちでトントンたたいて固定します。

道具があれば、力もいらず簡単に作ることができました。

 

 

出来上がったものがこちらです!

クレヨンの自由な線と刺繍のすこし不自由な線が重なって、かわいらしい素敵なボタンができました。

 

 

 

まるい型の全体にデザインしていても、ボタンにすると半分以上は隠れてしまうのです。

でも逆に偶発的なおもしろさがありますね。

 

 

「わたしも!わたしも!」と仕上げの作業の順番待ち。

打ち具からコロンと完成したくるみボタンが飛びだすと、子どもたちも「おおーっ!」と完成をあげて嬉しそうにしていました。

 

 

くるみボタンは洋服に取り付けるだけでなく、

ヘアゴムやヘアピンに取り付けたり、ブローチにしたり、アイデア次第でいろいろな使い方ができます。

きっとどのボタンも素敵な小物へ変身するでしょう!

 

 

講師の三上さん、参加者の皆さんありがとうございました!

 

 

 

 

ワークショップ「色の標本箱」を開催しました

更新日:2015年11月5日(木) 【nakata Labs  なかたラボ】

一段と寒くなってきた尾道です。気づけば今年も残り2カ月を切りました。月日が経つのは早いですね…

先日、ワークショップ「色の標本箱」を開催しました。


記録や保存としての要素もありながら、まるで箱の中だけ時間が止まってしまったような、ロマンチックな要素も持ち合わせた標本箱。

標本箱と言えば昆虫や鉱石を思い浮かべますが、今回は 展示作品に使われている 「色」 を閉じ込めてみました。


まずはじめにウォーミングアップ。水彩絵の具を使ってグラデーションになるように色を塗っていきます。




青からむらさきを経て赤へ、1つの色に水を徐々に加えていってだんだん淡い色へ。

微妙な水や絵の具の調整はなかなか難しかったです。


そしていよいよ標本を作っていきます。

どの様にして作っていくかというと…

まずパレットの上で絵具をいくつか混ぜ合わせて絵の中に使われている色をつくり、画用紙に塗ります。



風景画には描かれたときの光や、描いた場所や時間、画家の心境などいろいろな要素が含まれています。

そのため一見同じ色でも、よく見るとたくさんの色を見つけることができます。

少しづつ、いろんな色を混ぜて…


画用紙のかたちは まる や さんかく、星や花などさまざま。




そしてそれらをノートに並べていきます。

標本というからにはデータが必要です。今回は色の図鑑を参考にして、作った色の名

前を表記しました。


色の索引と照らしあわせながら…



マロングラッセ、キャラメル、カフェオレ…

フランスの色の名前は食べ物を由来としたものが多いです。

おなかがすいてきますね。

撫子、桔梗、胡桃色など、日本の色は植物を由来としたものが多いようです。


自分が見つけた色が素敵な名前だと嬉しいものです。



参加者の皆さん、研究者のように黙々と取り組まれていらっしゃいました。


そして完成したものがこちらです。



タイトルなどの作品のデータも忘れずに。



 

 

色を抽出する作業によって、

絵画が普段の顔と違う見え方で目の前に現れてきました。

 


完成した瞬間、 「できた―!」と歓声を上げることはなく

作業している間に小さな喜びがじわじわと蓄積し、完成した形をみて喜びを隠しきれず

にニヤニヤしてしまう、そんな静かなワークショップでした。

 

しかし、予想外の色を使っていることに驚いたり、

 同じ作品でも、人によって選択する色が違うので、出来上がった標本が全然違う

雰囲気になったり、

この静かなワークショップ、まだまだたくさんの可能性を秘めているようです。


参加者の皆さん、ありがとうございました!


※以下の書籍を使わせて頂きました

濱田 信義 (2007) 『日本の伝統色』 

城 一夫 (2008) 『フランスの配色』 

城 一夫 (2011) 『フランスの伝統色』

ともに ピエ・ブックス

 





 

親子ワークショップ「パピエ・コレで街づくり」を開催しました

更新日:2015年8月30日(日) 【nakata Labs  なかたラボ】

ひと雨ごとに涼しくなっている尾道です。

秋の気配を感じる8月最後の土曜日、親子ワークショップ「パピエ・コレで街づくり」を開催しました。

パピエ・コレとは、フランス語で「糊の付いた紙」の意味で、色紙や、新聞紙などを貼り付けて構成された作品や

技法のことを言います。

 

 

今回のワークショップでは、様々な種類の色紙や包装紙に加えて、

展示している作品を白黒に印刷した紙も材料として使いました。

支持体となるのはじゃばらの本のような厚紙。半立体のパピエ・コレを作ります。

小さいころドールハウスで遊んだ時のように、建物の奥行きを感じることで、より想像力が湧きますよね。

 

 

まずはじめにウォーミングアップとして、「かたちさがし」を行いました。

さんかく、しかく、かまぼこ型を展示されている絵の中から見つけます。

さんかくは屋根にたくさん隠れていました。しかくは窓や扉、かまぼこ型は絵の中を歩いている人の帽子!

みんな絵をじーっくり見て、大人が見つけられなかった小さなところまでたくさんのかたちを見つけてくれました。

 

少しほぐれたところで、パピエ・コレの始まりです。

なかなか聞き慣れない言葉なので、みんなはじめは戸惑うかな?と心配していましたが、

そんな私の心配はすぐに吹き飛ばされました。

子どもたちは材料を手に取った途端、どんどん手を動かし、まちづくりを始めていきました。

 

 

折り紙を切って貼り付けたり、厚紙に穴をあけて窓にしたり。

展示作品に登場する街を組みあわせたり。

 

 

 

お菓子の街やおおきな金色の太陽の街、雷雨降り注ぐ嵐の街。

 

 

 

川が流れて、船が泳いで、空には飛行機、雷、しゅりけん!…手裏剣?

 

 

 

ポコポコ溢れるように作り出され変わっていく街並みは、年月の流れさえも感じさせます。

 

なんとなかた美術館を作ってくれた子もいました!入口があって、受付があって、そして階段!

細かい所まで再現されています。

 

 

子どもたちが作ってくれた街は、カラフルだったり、いろいろな形の建物や窓があったりとっても楽しそうです。

こんな街を訪れてみたいですね。

いったいどんな人が暮らしているのでしょう。

 

 

 

参加者の皆さん、ありがとうございました!

子どもたちやお母さんの夏休み最後の思い出になってくれていたらうれしいです。

 

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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