広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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武久源造  チェンバロ / フォルテピアノ・リサイタル

更新日:2010年8月4日(水) 【コンサート】

 

昨夜 「武久源造 チェンバロ/フォルテピアノ・リサイタル」 が開催されました。

主催は、NPO法人おのみちアート・コミュニケーションです

チェンバロとフォルテピアノ、2台の楽器を使った、なんとも贅沢なコンサート。

福山・尾道二夜連続公演の二日目で、80名を超える方がお越し下さいました。ありがとうございました!

 

 

左側がチェンバロで、なかた美術館所蔵のものです。

チェンバロは18世紀ドイツに活躍したチェンバロ製作家 『ミヒャエル・ミートケ』 の楽器をモデルとしたもの。

 

右側のフォルテピアノは、同じく18世紀ドイツの製作家 『ゴットフリート・ジルバーマン』 のモデルによるフォルテピアノ、

通称 “ジルバーマン・ピアノ” です。

これは、まだ日本に一台しかない貴重な楽器だそうです!



 

18世紀当時はチェンバロが作曲の主流でしたが、バッハ自身フォルテピアノへの関心も非常に高く、実際に弾いていたと考えられます。

というわけで、バッハの名曲をたっぷりと聴いていただくプログラムでした。

 

 

フォルテピアノは、現代のピアノのようにハンマーで叩いて音を出します。

チェンバロが、弦を弾いて琴のように華やかな音色を出すのに対し、フォルテピアノの音色は、やわらかく、現代のピアノに近い音です。フットペダルもついています。

音の強弱がよりはっきり出せるので、「フォルテ(強く)ピアノ(弱く)」と名付けられたとのこと。

でも弦はとても細いので、チェンバロのように、弦の震えが伝わるような繊細さや、高い音のきらびやかさも持っていて、新鮮でした。

 

 

武久さんはチェンバロとフォルテピアノの間を交互に行き来して、演奏されるので、

タッチも音色も、それぞれ違う楽器を引きこなす武久さんの表現力に驚きます。

そして、また曲の合間に少し調律されたりしていて、手を入れられる度に、楽器が喜んで音を鳴らしているようでした。


 

二つの古楽器でバッハの曲が奏でられていると、遠い時代が想像されて、とてもわくわくする時間でした。

どうもありがとうございました!

 

 

そして、演奏には使われなかったのですが、一日だけ展示させていただいた武久さんご所蔵の「ヴァージナル」もご紹介します。

チェンバロの一種で、弦が斜めに張られています。

通称「親子ヴァージナル」(mother and child)。

 


 

大きい箱と小さい箱が重ねられているので「親子」なんですですね。


 

見た目の美しさもさることながら、なんと!

「子ども」の部分を収納して、このように「箱」になっちゃうんです。すごい!!

 

まるで机のようです。持ち運びや収納を追求したのでしょうか・・・古楽器っておもしろいですね。

それでは、次回のコンサートもお楽しみに! ありがとうございました。


 

 

 

 



 

マザーグースの世界 〜 二重唱で愉しむイギリス・日本のうた 〜

更新日:2010年6月20日(日) 【コンサート】

本日ミュージアムコンサート「マザーグースの世界 〜 二重唱で愉しむイギリス・日本のうた 〜 」を開催しました。

ソプラノ、アルトの二重唱と、チェンバロ、そして「語り」によるコンサートです。

マザーグースとは、イギリスで昔から親しまれている「わらべ歌」の総称です。

 

まず、日本の「マザーグース」である童謡や唱歌をお届けしました。

美しい四季の情景をそれぞれ謳った「おぼろ月夜」「夏の思い出」など。

音楽の教科書にも載っているような親しんだ曲ですが、本格的なハーモニーで聴くとその魅力を実感できます。

 

ソロで歌われた子守歌は、哀愁を帯びて心に響きます。


そして下村久江さんの軽妙な語りで、マザーグースの世界に引き込まれます。


「Three blind mice 目の見えない3匹のネズミ」では、

「ネズミ」に扮した下村さんを、向井さん・栗原さんが「おかみさん」役として

ホウキで追いかけ回すパフォーマンスでは会場が笑いに包まれました。


この歌は

「おかみさんが、ねずみを追いかけて」

「ねずみのしっぽを切って」

「ねずみがおかみさんを追いかけて」

というような、ちょっと残酷でユーモラスな内容の歌詞ですが、

「おかみさん」は当時の女王、「3匹のねずみ」は弾圧された3人の宗教家をあらわしているとのこと。

 

このように、マザーグースの詩には、ナンセンスや言葉遊びなどに加え、政治や事件を風刺する精神もあり、

その解釈をめぐる研究は今も続いているそうです!

 

最後に、元はイングランド民謡の「埴生の宿 [Home sweet home]」

そして会場のみなさまと一緒に「ふるさと」を歌いました。

なつかしく温かな気持ちになっていただけたのではないでしょうか。


 

盛りだくさんの内容で素敵なコンサートでした。

じめじめしたお天気が続いていますが、本日お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました!


次回のミュージアムコンサートは

8月22日(日)

【オーボエの魅力 〜チェンバロとともに〜】です。

詳細はコンサートのページをご覧下さい。

 

 

 

2008年2月から定期的にチェンバロコンサートを始めて三年目。

毎回、ヴァイオリン、オーボエ、トランペットなどなど、様々な楽器との共演をしているのですが、

2010年の初回となる今回は、あえて「チェンバロだけ」で、その魅力をストレートにお伝えできるような企画を・・・

というわけで、"「ソロ」と「連弾」でつづるバッハ家の音楽"を開催いたしました。

 

出演はチェンバロ奏者の小田郁枝さんと浅田陽子さんです。



そもそも、一台のチェ ンバロを「連弾」するのは、珍しいことです。

当館のチェンバロは72鍵あり、かなり大きい方ですが、

それでも、ピアノよりとても幅が狭く、ひとつひとつの鍵盤も小さいのです。

難しい演奏となりそうですが、おふたりは息もぴったり。

4つの手が素早く鍵盤の上を行き交い、おどろくほど重厚な音色を響かせてくれました。





 

もちろん、ソロの透き通るような響きも魅力的です。

 

 

 


バロックの一時代を築いた「音楽の父」バッハ。

子だくさんで家族思いの「お父さん」でもあったようです。

家庭的なエピソードを交えつつ、その曲をたっぷりと聴かせていただきました。

 

お越しいただいたみなさま、どうもありがとうございました!

 

次回は

6月20日(日)

「マザーグースの世界」二重唱で愉しむイギリス・日本のうた

です!お楽しみに!


 

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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