広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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皆さんこんにちは。

風も冷たくなり、だんだんと秋めいてきましたね。

 

なかた美術館では、10/29(日)にチェンバロミュージアムコンサート「旅するチェンバロ〜ドイツ・オーストリアを訪ねて〜」を開催しました。今回のコンサートはこれまでに行ってきた「旅するチェンバロ」シリーズの最終回です。チェンバロを起点に、ヨーロッパ諸国の音楽と歴史の関わりに触れ、それぞれの国で活躍した作曲家たちに注目したプログラムで開催してきました。

今回はフルートとのアンサンブルもありました。演奏してくださったのは、川本真利江さん(フルート)と小田郁枝さん(チェンバロ)です。


 

17世紀のドイツやオーストリアでは、神聖ローマ皇帝を中心とする諸侯たちの集まりが各地にありました。彼らは宮廷音楽を好んだため、音楽家たちは一層活躍の機会を得ることになりました。

バッハもそんな音楽家たちの中の一人です。市役所付の音楽家である父のもとに生まれ、自身の子どもたちにも音楽を教え、生涯音楽とともに生きました。演奏された《小プレリュード》はバッハの長男のための小曲集に入っています。


 

次に演奏されたのは《インヴェンション》です。子沢山で、いつも小さな子どもたちに囲まれていたバッハは、彼らの音楽の練習のためにこの《インヴェンション》を作曲しました。今回はソプラノパートをフルートで演奏していただき、チェンバロとフルートの共演を楽しみました。特に、《No.1 ハ長調》と《No.14 変ロ長調》はフルートの音色が軽やかで楽しげな曲でした。


 

同じくドイツの作曲家であるテレマンの楽曲も演奏されました。テレマンはオルガニストを経て、アイゼナハで楽長の任を受けました。同時代の作曲家であるヘンデルとはライプツィヒ大学時代からの友人であり、バッハとも親密な交友関係を結んでいました。クライアントの要望へきめ細やかに応じて作曲をしていたそうです。今回はテレマンの楽曲の中から《12のメトーディッシェ ゾナーテンより No.1》が演奏されました。少し寂しげな旋律で、だんだんと肌寒くなる秋にぴったりの楽曲でした。


休憩を挟んで後半からはベートーヴェンやモーツァルトの楽曲も演奏されました。


音楽史において極めて重要な位置を占めるベートーヴェンは、後世の音楽家たちにも多大な影響を与えました。今回は《歌曲「Ich lieve dich」》と《ピアノソナタ Op.49-2 ト長調》が演奏されました。

 最後に、オーストリアで活躍したモーツァルトの楽曲も演奏されました。《オペラ魔笛 KV620より「何と まあ、素敵な音だ」》と《フルートソナタ KV14 ハ長調》の2曲でコンサートは締めくくられました。


 

「芸術の秋」にふさわしい、素敵な音楽の時間でした。

ご来場いただいた皆さま、出演者のお二方、ありがとうございました!


 


今回のコンサートで「旅するチェンバロ」シリーズは一区切りとなりますが、これからもなかた美術館でのチェンバロコンサートは続きます。皆さま今後ともよろしくお願いいたします。

 

次回のコンサートは

12/24(日)チェンバロミュージアムコンサート

『クリスマスのおはなし〜チェンバロの音色にのせて〜』

 

 

毎年恒例のクリスマスコンサートです。今回もチェンバロの演奏とともに、クリスマスにまつわるお話の朗読をお楽しみいただけます。今年はクリスマス・イブの開催ですので、皆さまお誘いあわせのうえ、ぜひごお越しください。

 

 

皆さんこんにちは。すっかり桜の花も散って葉桜の季節になりました。

なかた美術館では4/16(日)に、2023年初めてのミュージアムコンサートを開催しました。

今回は、バロック時代の楽器によるプログラムでした。

バロックチェロは永瀬拓輝さん、チェンバロは小田郁枝さんの演奏です。

今回のコンサートは間に休憩を挟んだ2部制でお送りしました。



まずはチェンバロの演奏から始まります。F.クープランの「第6オルドル」より「田園詩」、「羽虫」、「神秘のバリケード」の3曲を演奏していただきました。

「田園詩」は聴いてるとのどかで穏やかな風景が目に浮かぶようです。「羽虫」は虫の羽音がチェンバロの音色で再現されている面白い曲です。虫が苦手な人も楽しめる曲でした……!「神秘のバリケード」のタイトルが表しているのは、宮廷に集う貴婦人たちのドレスのことだそうです。その名の通り、華やかできらびやかな印象を持たせる曲でした。

 


続いて演奏されたマッスの「チェロソナタ No.5 変ロ長調」は、チェロのための曲が少なかったフランスにおいては、最も古いとされているチェロソナタです。人の声に最も近いといわれるチェロの音色は、重厚さや深みを持ちながらもとてもあたたかく感じられるものでした。

 

 

コンサートの後半では、最初に永瀬さんからチェロについての簡単なレクチャーがありました。チェロは他の楽器と比べて温湿度などに左右されやすく、演奏の前には毎度チューニングが必要だそうです。永瀬さんが演奏されるバロックチェロは、エンドピンという床に直接接地して楽器を支える器具が付いていません。そのため、足でチェロを挟むことで固定をして演奏します。エンドピンが無いことによってチェロは格段に軽くなるそうです。普段見るチェロと、古楽器であるバロックチェロの違いについてもわかりやすく解説していただきました。

 

 

その後はバッハの「無伴奏チェロ組曲」など皆さんもどこかで聴いたことがあるような、耳になじんだ曲を演奏してくださいました。

その後の「インヴェンション」は元々バッハが子どもたちのチェンバロの練習のために作った曲でしたが、今回はバロックチェロとチェンバロの2つの楽器で演奏していただきました。普段あまり聴くことができない組み合わせでの演奏なので、2つの古楽器の音色は調和しつつもとても新鮮なもののように思えました。



今回は、前日の4/15(土)にチェンバロの総点検も行いました。メンテナンスの様子は来館された方々にも公開しており、3年に一度のオーバーホールだったので、細部の部品まで一つ一つご覧になる方もいました。

 

 

 

総点検後のチェンバロの新鮮な音色と、普段はなかなか聴くことができないバロックチェロの音色でのコンサート、いかがでしたか

ご来場いただいた皆さま、ご出演いただいたお二方、チェンバロを点検していただいた調律師さま、ありがとうございました! 

 

 

 

次回のコンサートは6月25日(日)チェンバロミュージアムコンサート&レクチャー

『How to play the チェンバロ vol.3!!』

 

毎年恒例のチェンバロ奏法レクチャーを兼ねたコンサートですが、なんと今回は実際にチェンバロを弾く演奏体験もしていただけます!演奏をご希望の方はご予約の際にお申し出ください。


それでは、また次回のコンサートでお会いしましょう!

 

 

寒い寒い冬のお楽しみのひとつ、毎年恒例のクリスマスのミュージアムコンサートを開催しました。

今回は、クリスマスにまつわる2つのお話の朗読と、チェンバロの演奏によるプログラムです。

朗読は山川生美さん、チェンバロは小田郁枝さんの演奏です。


まずは「ちいさなもみの木」です。

森のはずれで生きている「もみの木」を主役に、季節のめぐりと子どもたちの成長を描いたおはなしです。

もみの木という存在に、こんな心があったらと思うと、あたたかな気持ちになります。


 

山川さんの朗読は落ち着いた声色で、ひとつひとつの言葉が優しく響きます。

そして音楽がさらに物語を彩って、情景や登場人物たちの気持ちを想像させてくれました。


 


もうひとつのお話はバレエでもおなじみの「くるみわり人形」です。

クリスマス・イブの夜を舞台に、小さな女の子クララが人形たちと大活躍します。

夢だけど、夢じゃないような、不思議さとわくわく感もクリスマスにぴったりです



バレエ音楽やクリスマス・キャロルなど、おなじみの曲もたくさんのプログラムで、

楽しいひとときをお過ごしいただけたのではないかと思います。


 


さまざまなことがある日々の中で、みなさまとともに穏やかなクリスマスを迎えることができる幸せに、改めて思いを馳せる時間になりました。

どうもありがとうございました。


 

 

2023年は4月からまた定期的なコンサートの開催を予定しています。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

  

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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