広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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皆さまこんにちは。

毎日とても暑いですね。なかた美術館では7/28(日)にミュージアムコンサート「暑い夏を元気に −サクソフォンとチェンバロで楽しく−」を開催しました。サクソフォンを山下雅也さん、チェンバロを小田郁枝さんに演奏していただきました。

 

 

 

チェンバロは15世紀頃から存在する古い楽器です。楽器の中でも「古楽器」というジャンルに分類されます。対してサクソフォンは19世紀の中頃から登場したチェンバロよりも若い楽器です。2つの楽器の共演は新たな楽しさ、面白さを伝えてくれました。

 

初めに、ヘンデルの《ラルゴ》が演奏されました。ゆったりと落ち着きのある音色で、心地良い響きでした。もとはオペラ『セルセ』の一幕であったこの曲はのびやかな印象も与えます。

 

 

 

宮城道雄の《春の海》はお正月によく聞く曲です。琴と尺八で演奏されるこの曲をサクソフォンとチェンバロで演奏してくださいました。異色の組み合わせのように思えますが、チェンバロは琴と同じく弦を弾いて音を出す楽器なので、和楽器の風雅さにも劣らない響きを聞かせてくれました。サクソフォンもしなやかな音色を響かせていて、意外にも楽器と曲がぴったりマッチしていました。夏に聞くと不思議と涼し気な気持ちになります。

 

 

 

ラターは1945年生まれの現代の作曲家です。彼が作った「古風な組曲」より《プレリュード》《オスティナート》《アリア》《ロンド》をチェンバロのソロで演奏していただきました。これは古典的な曲の組み方をしているため、「古風な組曲」というタイトルになっています。チェンバロの軽やかな音色で進行してゆく組曲は、暑い夏に爽やかな空気をもたらしてくれました。

 

 

 

最後はモンティの《チャルダッシュ》をチェンバロとサクソフォンで演奏していただきました。これは酒場の音楽とも呼ばれるとてもにぎやかで楽しげな曲です。なんと今回は山下さんがサクソフォンを吹きながら客席を練り歩いてくれました!間近で聴くサクソフォンの音色はとても迫力がありました。一緒に踊りだしたくなるような一曲でした。

 

 

 

 

 

夏の暑さで疲れ気味の心と体に、楽しい音楽のひとときで元気をもらえました。

ご来場いただいた皆様、出演者のお二方、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

次回のコンサートは10/27(日)チェンバロミュージアムコンサート

『Favorite Concert for チェンバロ 〜ヴァイオリンとともに〜』

 

次回はチェンバロとヴァイオリンの共演です!1時間半のコンサートでたっぷり演奏を楽しんでいただけます。

どうぞお楽しみに!

 

皆様こんにちは。梅雨に入り晴れ間が恋しい季節ですね。

6/23にミュージアムコンサート「フルートデュオとチェンバロで奏でる 鳥のさえずり」を開催しました。梅雨の鬱陶しさも吹き飛ぶような爽やかな音色が響き渡りました。

フルートは岡野映さんと宮原律さん、チェンバロは小田郁枝さんに演奏していただきました。


 

 

今回のコンサートは鳥や花にまつわるプログラムです。1曲目はアイルランド民謡の「庭の千草」。チェンバロとフルートで奏でられたこの曲は、聴いているとまるで穏やかな草原の中にいるような気分になりました。




「生まれながらのあでやかさ」は宮廷の貴婦人たちの華やかさや煌びやかな様子を表現した曲です。ヴェルサイユ宮殿で宮廷音楽家として活躍したクープランの作曲で、彼が目にしてきた美しくあでやかな女性たちを連想させる旋律です。チェンバロの繊細な音色で奏でられたこの曲は、宮廷の絢爛豪華な様子を私たちに伝えてくれました。



コンサートの途中で、宮原さんと岡野さんがフルートの仕組みや素材についてお話ししてくださいました。フルートは元々、人の骨に穴をあけたものだった、と聞いて驚きました。現在のフルートは貴金属の管体で優美な音を奏でてくれます。フルートごとにまかなえる音域もさまざまなようで、お二人が演奏されているフルートにもそれぞれの個性がありました。



その後、ドゥラヴィーニュの「花々」より「バラ」と「三色スミレ」を2本のフルートで演奏してくださいました。これらは元はリコーダー用の曲だったそうですが、フルートで演奏されるととても優美な音色に仕上がっていました。


フランスの作曲家ダカンの「かっこう」は、その名の通りチェンバロでかっこうの鳴き声を再現していました。物悲しくもリズミカルなこの曲は目を瞑って聞くと、森の中に佇んでいるようでした。


ウィリアムズの「鳥の鳴き声の模倣によるソナタ」は先ほどの「かっこう」のようにフルートで鳥の鳴き声を表現していました。さまざまな鳥の鳴き声がフルートで奏でられ、本当にたくさんの鳥と触れ合っているような気持ちになる楽しい曲でした。


 


ご来場いただいた皆様、出演者のお三方、どうもありがとうございました!


 

 


次回のコンサートは

7/28(日)夏休みチェンバロコンサート

『暑い夏を元気に -サクソフォンとチェンバロで楽しく-』

 

毎年恒例の夏休みコンサートです!大人の方だけでなく、お子様にも楽しんでいただけるようなプログラムをご用意しています。サックスとチェンバロ、そして皆様の手拍子で、暑さに負けず盛り上がっていきましょう!

※定員に達したため現在はキャンセル待ちを承っています。

 

皆様こんにちは。新緑が美しく、爽やかな季節ですね。

なかた美術館では4/29(月祝)にチェンバロコンサート「How to play the チェンバロ vol.4!!」を開催しました。今回は毎年恒例のレクチャーを兼ねたコンサートです。チェンバロの仕組みや演奏方法を学び、実際にその場で参加者の方にもチェンバロに触れていただきました。

演奏と講師を務めてくださったのは小田郁枝さんです。




チェンバロは、ジャックという木片の先についたプレクトラムという爪のようなもので弦を弾くことで音が出ます。形がよく似たピアノはハンマーで弦を叩いて音を出す打鍵(だけん)楽器ですが、チェンバロはギターやハープ、琴のように弦を弾いて音を出す撥弦(はつげん)楽器です。ピアノよりも軽やかな音を奏でます。

小田さんが演奏してくださった《アマリリス》からは、チェンバロの軽やかで華やかな音色がよく伝わりました。


 

 

 

指先を使って演奏するチェンバロは音の強弱が付けにくいです。そのため、アーティキュレイトという、音と音を切るような演奏方法で"拍感"を持たせて音を強調します。腕ではなく、指だけの動作でアーティキュレイトを入れるのがポイントです。バッハの《マーチ ニ長調》や《インヴェンション No.1》ではこのアーティキュレイトによる拍感を出した演奏が行われました。

 

 

 

チェンバロはペダルが無いため、音を響かせることも指の動きだけで行わなければなりません。次の音の鍵盤に指を移すとき、前の音の鍵盤に少し長く指を留めておきます。こうすることで、音の響きが長く続き音と音が繋がったような感触になります。《プレリュード ハ長調》はこうした音の広がりを使って演奏されました。とても滑らかに音色が響き渡り、心地よかったです。




参加者の方もたくさんチェンバロに触れて、学んだことを実践していました。お子様から大人の方まで、さまざまな方に触れていただきました。2段の鍵盤を使って演奏された参加者さんの姿も見えました。


 

 

 

 

今後もさまざまな形でのコンサートを予定していますので、皆様ぜひお越しください。

ご来場いただいた皆様、そしてレクチャーと演奏を務めてくださった小田郁枝さん、どうもありがとうございました!


 

 

次回のコンサートは6/23(日)チェンバロミュージアムコンサート

『フルートデュオとチェンバロで奏でる 鳥のさえずり』

 

次回はフルートとチェンバロの共演です。鳥や自然にまつわる楽曲が演奏されます。どうぞお楽しみに!

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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