広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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ミュージアムコンサート 『響きあう歌とチェンバロ』

更新日:2015年8月23日(日) 【コンサート】

こんにちは。

先週末の、気持ちよく晴れた日曜日にミュージアムコンサート 『響きあう歌とチェンバロ』を開催しました。

出演者はメゾ・ソプラノで小林理恵さん、朗読に川崎摂子さん、チェンバロの小田郁枝さん。


 


まずはイタリアの古典歌曲から。

迫力たっぷりの本格的なベルカントの歌声で、一気に音楽の世界に引き込まれます。


「愛」にまつわる歌が多いのですが、素直な喜びを歌ったものから、たわむれの恋や、切ない恋愛など、一口に「愛」と言ってもいろいろ。

朗読が歌の背景を伝えてくれるので、それぞれの物語が浮かんでくるようでした。

 

 

高らかな歌声にチェンバロの音色が寄り添って響きあいます。

小林さんが特に好きだという『樹木の陰で』は、スズカケの木を賛美する歌詞で、いわば「樹木への愛」を歌ったもの。

「男女の愛」の歌よりも、ぐっと優しい印象でした。

 

そしてチェンバロのソロ。

レクチャーを織り交ぜながら、チェンバロの特色を活かした楽曲を演奏していただきました。


 

 

そして後半は、日本の歌。 

『浜辺の歌』や『夏の思い出』などは、なつかしく、ほっとします。

多彩なイメージがふくらむのは、やはり歌ならではですね。

音楽をぐっと身近に感じることができました。

 

 

 
いろどり豊かな音楽の時間となりました。みなさま、ありがとうございました!




 

 

次回は、10月25日(日)

『笛の楽園 −リコーダー、フルートとチェンバロの調べ−』


リコーダーとチェンバロ、そしてフルートとチェンバロの二部構成で、笛を使った名曲の数々をお届けします。

きっと、この頃はすっかり秋ですね。どうぞお楽しみに!

 

 

 

チェンバロミュージアムコンサート『あたたかい音色』

更新日:2015年8月14日(金) 【コンサート】

一雨降って、ほんのちょっとだけ涼しくなったような尾道です。

さて、すこし間があいてしまいましたが、チェンバロミュージアムコンサート『あたたかい音色』の様子をご紹介します。

サクソフォンの山下雅也さんとチェンバロの小田郁枝さんによるアンサンブルをお届けしました。



メジャーな楽器であるサクソフォン、どちらかというとジャズやポップスのイメージが強いのではないでしょうか。

当館ではこれまで、たくさんの楽器とチェンバロが共演してきましたが、実はサクソフォンは今回が初めて!

やわらかくて艶のある、なめらかなサクソフォンの音色と、チェンバロのきらきらした音の相性はぴったりでした。

 


プログラムは、オーケストラでサクソフォンを用いたものとしてはもっとも歴史の古い「アルルの女」や、バロックの定番曲「ラルゴ」や「調子の良い鍛冶屋」など・・・

アルトサックスやテナーサックスなど、曲にあわせて使い分けながら、多彩な音色を聴かせていただきました。

 


そして圧巻は、バッハの管弦楽組曲やソナタ。

本来サクソフォン向けでない曲たちですが、そんな難しさをものともせず、

まるでサクソフォンのための曲のように、力強く、魅力たっぷりに演奏してくださいました。



また嬉しいことに、この日、ご近所の中学校から、吹奏楽部の方々も聴きにきてくれていました。

コンサート終了後の、中学生たちによる質問攻めと、山下さんが笑顔で答えておられる光景もなんともほほえましかったです。


やさしい音色や力強い音色、サクソフォンとチェンバロが奏でる、色とりどりの音楽に、たっぷり浸る時間となりました。

どうもありがとうございました!



次回のチェンバロミュージアムコンサートは 8月23日(日) 

『響きあう歌とチェンバロ』

15:00〜16:00


http://nakata-museum.jp/concert/

メゾ・ソプラノの明るく、高らかな歌声とチェンバロの音色をお届します。

みなさまどうぞご参加ください。



 

 

 

柴田元幸&トウヤマタケオ 「朗読とピアノの夕べ」を開催しました。

更新日:2015年6月27日(土) 【コンサート】

 

なかた美術館では、昨日久しぶりに夜間開館のスペシャルイベントを行いました。

かねてよりtwitterなどでお知らせしており、多くの方が楽しみにしてくださっていた

柴田元幸&トウヤマタケオ「朗読とピアノの夕べ」です!

 

今回、企画してくださったのはignition galleryの熊谷充紘さん。

柴田さんが責任編集を務める文芸誌「MONKEY vol.6」の刊行を記念した、朗読ツアーのなかの尾道公演でした。

おかげさまで定員を超えるご参加をいただき、大盛況となりました。

 

 

本とお菓子の販売で、「ホホホ座 尾道店」さんも出店してくれました!

MONKEYの最新号はもちろん、バックナンバーや、海外文学を中心にした、古書もずらり。

 

 

 

そしてこの日のため、なんと本と猿のかたちのクッキーを焼いて持ってきてくれました!

これがまた可愛いのです・・・!

 

 

 

そして、張りつめた緊張感と大きな期待のなか、公演がはじまります。

 

 

 

まずトウヤマさんのピアノが響きます。

すっくと立った柴田さんが、大きな声で朗々と語る最初の物語は、MONKEY vol.6からのクールな一篇、

スチュアート・ダイベックの「ヒア・カムズ・ザ・サン」でした。


その声は力強く、お腹の底から響いて来て、確かな言葉で、聞く人をぐいぐい物語のなかに引き込みます。


そしてトウヤマさんの演奏が、物語を包み込むように柔らかく、

あるいは突き放すように淡々と、絶妙なバランスで並走します。

 

その後は、ギリシャ神話になぞらえて一人のヴァイオリン弾きを描いた、

切なくて恐ろしいパトリック・マグラアの「オマリーとシュウォーツ」、


 

MONKEYvol.6では「奇妙な店」が掲載されているウォルター・デ・ラ・メアの、

しずかな恐怖を描いた「謎」。 

 

 

第二部では、世界と自分とのズレを切実に描いたブライアン・エヴンソンの「ウインドアイ」、

最後は、アイザック・シンガーの「靴紐に寄せる惜別の辞」が高らかに謳いあげられました。

 

 

 

物語に、声と音楽がふきこまれることで、次々と立ち現われてくるイメージ。

その鮮やかさ、強さたるや!

まるで物語そのものが、いま柴田さんの姿をして目の前にいるような感覚。

その肉声に、全身を打たれるような体験は、もはや手に負えないくらいに圧倒的でした。

 

あいだにはさんだ質疑応答では、朗読の緊張感とはうってかわって、

柴田さんが実に気さくに色々と答えてくださいました。

 

 

作家は、自分で自分の本がおもしろいよ!とは言いにくいけれど、

翻訳者は、自分が翻訳した本をおもしろいよ!と言えるし、言うべき立場だと思う、という言葉に納得したり、

“この物語は、こう読まれたがっている”という物語の意思のようなものに基づいて読む。という言葉に、作品に対する理解や愛の深さを思ったり・・・。

 

実は文学より音楽が、もっと早くから自分の深いところにしみ込んでいると語る柴田さんにとって、

今回のMONKEYのような音楽をテーマとした特集は念願だったとのこと。

(その刊行記念の朗読会を開催することができて、本当に光栄です・・・!)


ちょっと冗談を飛ばしたり、照れくさそうな笑顔を見せる柴田さんも印象的でした。

 

 

美術館は、たとえば100年前の人間が描いた絵を、目の前に見ることができる場です。


そうした場で、柴田さんが異なる国や時代の物語を、翻訳して、さらに朗読して、わたしたちに届けてくれるということ、

またトウヤマさんの演奏が、やはり未知のもの、目に見えないものをすくいあげて、それを聞くことができる、というしあわせ。


そして、集まったみなさんがそれぞれに、その全てをしかと受け止めてくださっているという実感があり、

なんだか胸がいっぱいになってしまったのでした。

 

 

また、今回はおひとりでお越し下さった方が多かったこと、初めて当館に来て下さった方が多かったことも嬉しかったです。

お二人のファンが多いのはもちろん、本というもの、文学を楽しめる場を求めている方が、こんなにたくさんいるんだなというのも感じました。

 

ご来場いただいた皆様、お手伝いしてくださった皆様と、一緒に素晴らしい時間を共有することができて、本当にうれしく思います。

どうもありがとうございました!!


 

 

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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