
更新日:2014年9月14日(日) 【nakata Labs なかたラボ】
続いて、8月30日に行ったアーティスト・ユニット“もうひとり”による
ワークショップ「迷子石の手ごね石鹸づくり」をご紹介します。
はじめに“もうひとり”の小野さんから、「迷子石」に関するレクチャーをしてもらいました。
2013年の夏“もうひとり”の二人は、スイスでのアーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)に招かれました。
そこで二人は「迷子石」に出会います。
日本では馴染みがないですが「迷子石」は実は一般名詞。
氷河が運んで、溶けた後に置き去りにされてしまった石のことです。
二人は、ジュネーブの町中いたるところで放置されている迷子石や、氷河までトレッキングして撮影した写真を紹介してくれました。
長い時間をかけて移動し、人々の暮らしや、都市の開発からぽっかり外れた存在である迷子石。
今回の展覧会では〈迷子石〉の立体作品、そして同じ形でスケールの違う〈迷子石石鹸〉を出品しています。
“もうひとり”は単なる石→石鹸という連想だけではなく、
界面活性剤が物質の境界に作用するものであること、
また、それ自体も溶けて無くなってしまうことから、石鹸を素材にしています。
さて、いよいよ石鹸をつくっていきます!
まずはスケッチ。
実際に石を手にとって描きながら、よーくかたちを見ていきます。
だいたい形をとらえたら、石鹸素地をジップロックに入れて、お湯でこねていきます。
今回はハーブエキスという体で、レストラン ロセアンの人気メニューである
フレッシュハーブティーを濃いめに淹れたものを使いました。
耳たぶくらいの硬さになるまで、何回かに分けてお湯を足し、こねていきます。
じつはこの作業、結構、力がいります。
今回はお好みで、ラベンダーの精油などをプラス。
そしてまたこねこね。
普通の石鹸作りなら、ハーブそのものを入れても良さそうですね。
私は乳香(フランキンセンス)の粉を入れてみました。
生地がまとまってきたら、ラップにくるんで形を整えていきます。
手を動かして、もくもくと形をつくる。
こういう作業は夢中になれますよね。
しかも石という、あいまいな目標がまた楽しいです。
完成がこちら!
どれも想像以上に、石です!
みなさんの家に、それぞれの迷子だった石たちが帰って行くと思うと、ちょっといい話っぽくもあります。
みんな溶けてなくなってしまうのですが・・・。
ちなみに持ち帰って、しっかり乾燥させた迷子石石鹸はこんな感じ。
表面がパリッとして、うすく透き通った感じです。
ハーブと乳香の自然な色で、より石っぽさが出ています。
(ちなみに、泡立ちもとても良いです!)
良い匂いで、ほのぼのして、ちょっと可笑しいワークショップ。 とても楽しかったです。
“もうひとり”のお二人(ややこしい)、参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。
更新日:2014年9月13日(土) 【nakata Labs なかたラボ】
日も短くなり、すっかり秋の空気になってきましたね。
さて、これまでのワークショップを少しずつ振り返っていきたいと思います。
8月16日、作家の村上友重さんと一緒にサイアノタイプ(青写真)を体験する
ワークショップ「光をあつめる・光を重ねる」を行いました。
みなさんに、好きな写真と好きな本を持ってきていただいています。
ワークショップでは、自分たちで印画紙とネガをつくりました。
まずは印画紙づくり。
サイアノタイプ用の薬品を混ぜて、少し厚手で、吸水のよい紙に塗布していきます。
薬品を混ぜた段階で、露光が進んでしまうので、本社の倉庫の中に白熱球を設置し、仮設の暗室にしています。
この段階では、うすい黄緑色ですね。
印画紙を乾かしている間にネガづくりです。
持ち寄った写真を、光を通す透明なOHPシートにコピーします。
コピーする時、ネガポジ反転させるのがポイント。
印画紙に重ねた時、黒い部分は光を遮るので白く残り、
透明な部分がには光が当たって青くなる、というしくみ。
ネガには、自分の好きな本から抜き出して、言葉を書き込んでみます。
写真のイメージに手を加えることで、自分の作品にしていく試みです。
ネガが完成したら、印画紙に載せ、ずれないようにガラス板を重ね、いよいよ露光!
この日は、なんともあいにくの曇り空でしたが、紫外線があればOKなので、のんびりチャレンジです。
15~20分間、屋外に置いておきます。
見ている間にも、ゆっくりと色が変わっていきました。
晴れていたら、もっと早くできるそうです。
その後は、水洗。
露光していない部分の薬品が、さっと流れて、きれいなブルーが現れました!
薬品が残っていると、どんどん露光してしまうので、
しっかり白い部分が残るように、たっぷりの水で洗い流します。
思った以上に、クリアなイメージが写しだされました!
ブルーもとても鮮やか。
この後も、色はゆっくりと変化していくそうです。
露光が足りなかったり、薬品の塗り残しがあったり、最初の乾燥が不十分だったり、
いろいろな原因で、うまくイメージが現れない場合もありましたが、
写真という、日頃は確かに現実を写すとされているものが、不意にゆらいでしまう様子は、なかなか刺激的でした。
デジタルカメラやスマートフォンが主流になり、写真を撮ることは増えましたが、
紙焼き(プリント)することはだいぶ減ったという方が多いのではないでしょうか。
こうして、ひとつひとつの行程に時間をかけ、手仕事を入れることで、写真がぐっと身体的なものになったように感じます。
という理屈は抜きにしても、実験のようで、不思議で楽しいワークショップでした!
どうもありがとうございました!
更新日:2014年9月4日(木) 【子どもと美術館】
ただいま「第7回子ども学芸員の旅 作品展」が開催中です。
今年の夏7/31~31に開催した「子ども学芸員の旅」で、参加者がつくった作品や、旅の様子の写真などを展示しています。
9/1(月)~9/12(金)まで
9:00~17:00
※入館無料 ※火曜日(9/2、9/9)休館
しまなみ交流会1階ロビーにて
JR尾道駅から徒歩1分。
駅前バス乗り場のすぐ隣です。
展示の準備でも、子ども学芸員たちが活躍しました。
展示台の組み立てや・・・。
たくさんの写真の仕分け・・・。
楽しい雰囲気が伝わるように、写真を飾り付けていきます。
さて、下の写真。腕にご注目!
彼女が自分で考えて、手首のヘアゴムに、すぐ使えるようにクリップをたくさん留めていたのです。
さすがの工夫ですね!
作品はうちわ、カップ、子ども達がリサーチしたマップなどなど、盛りだくさんの内容。
なかた美術館からは、稲川豊さんがプロデュースしたワークショップ〈受け入れて制作する〉の成果物を展示しています。
ワークショップの体験版もご用意していますので、ぜひ会場でトライしてみてくださいね!
さらに、上映しているスライドショーには、なんと!!
尾道発アイドルデュオ「フェリーズ」さんの楽曲をご提供いただいております!!! 渡船・フェリ~♪♪
子ども達の写真とぴったりで、見ていると元気になれそうですー!
今年も必見! ぜひお立ち寄りください。