ミュージアムコンサート「暑い夏を元気に −サクソフォンとチェンバロで楽しく−」を開催しました
更新日:2024年8月1日(木) 【コンサート】
皆さまこんにちは。
毎日とても暑いですね。なかた美術館では7/28(日)にミュージアムコンサート「暑い夏を元気に −サクソフォンとチェンバロで楽しく−」を開催しました。サクソフォンを山下雅也さん、チェンバロを小田郁枝さんに演奏していただきました。
チェンバロは15世紀頃から存在する古い楽器です。楽器の中でも「古楽器」というジャンルに分類されます。対してサクソフォンは19世紀の中頃から登場したチェンバロよりも若い楽器です。2つの楽器の共演は新たな楽しさ、面白さを伝えてくれました。
初めに、ヘンデルの《ラルゴ》が演奏されました。ゆったりと落ち着きのある音色で、心地良い響きでした。もとはオペラ『セルセ』の一幕であったこの曲はのびやかな印象も与えます。
宮城道雄の《春の海》はお正月によく聞く曲です。琴と尺八で演奏されるこの曲をサクソフォンとチェンバロで演奏してくださいました。異色の組み合わせのように思えますが、チェンバロは琴と同じく弦を弾いて音を出す楽器なので、和楽器の風雅さにも劣らない響きを聞かせてくれました。サクソフォンもしなやかな音色を響かせていて、意外にも楽器と曲がぴったりマッチしていました。夏に聞くと不思議と涼し気な気持ちになります。
ラターは1945年生まれの現代の作曲家です。彼が作った「古風な組曲」より《プレリュード》《オスティナート》《アリア》《ロンド》をチェンバロのソロで演奏していただきました。これは古典的な曲の組み方をしているため、「古風な組曲」というタイトルになっています。チェンバロの軽やかな音色で進行してゆく組曲は、暑い夏に爽やかな空気をもたらしてくれました。
最後はモンティの《チャルダッシュ》をチェンバロとサクソフォンで演奏していただきました。これは酒場の音楽とも呼ばれるとてもにぎやかで楽しげな曲です。なんと今回は山下さんがサクソフォンを吹きながら客席を練り歩いてくれました!間近で聴くサクソフォンの音色はとても迫力がありました。一緒に踊りだしたくなるような一曲でした。
夏の暑さで疲れ気味の心と体に、楽しい音楽のひとときで元気をもらえました。
ご来場いただいた皆様、出演者のお二方、ありがとうございました!
次回のコンサートは10/27(日)チェンバロミュージアムコンサート
『Favorite Concert for チェンバロ 〜ヴァイオリンとともに〜』
次回はチェンバロとヴァイオリンの共演です!1時間半のコンサートでたっぷり演奏を楽しんでいただけます。
どうぞお楽しみに!
ワークショップ「もじでみる鑑賞会」を開催しました
更新日:2024年7月23日(火) 【nakata Labs なかたラボ】
7/21(日)に、鑑賞ワークショップ「〇〇でみる鑑賞会」の第2弾「もじでみる鑑賞会」を開催しました。
このワークショップでは「目」以外を使って作品を「みる」ことにチャレンジしました。今回は「もじ」で作品を見てみます。
絵を見て感じたことを書き留めて、参加者同士で交換日記のようにお互いが書いたことを読みながら、色々な作品を鑑賞しました。
まずは用意された鑑賞シートを参加者の方それぞれの手に取ってもらいました。「絵の中はどんな季節?」「どんな香り?」「どんな音がする?」「天気は?」「気分は?」と、色々な質問が書かれたシートを持ってじっくりと作品を見てみます。
文字や、文字だけでは足りない部分は絵も織り交ぜながら書かれたシートを、参加者同士で交換しながらまた作品を鑑賞する……これを繰り返し、色々な作品を見てやってみました!
はじめはポール・アイズピリの《骨董商》を全員で鑑賞しました。それぞれが記入した鑑賞シートを交換してもう一度見てみます。最初に自分が書いたシートが手元に戻ってくると、そこには他の人が書いた文字も残っています。
その後は参加者それぞれが好きな作品を見つけて鑑賞してシートを書き、さらにそれを交換してまた別の人にシートに書き込んでもらいました。最初は自分が好きな作品を見つけますが、シートを交換した後はそのシートに書いてある作品を見ることになります。普段は素通りしてしまうような作品でも、じっくり見ることができたのではないでしょうか。
参加者の方からは「自分とはちがう視点を知ることができて楽しかった」、「シートの上で作品に対する色々な見方や意見がぶつかり合っていて面白かった」、など色々な感想を聞く事ができて嬉しかったです!
書き終わったシートは、他の質問のシートと合わせて、それぞれ好きなリボンでまとめて1冊のノートに仕立てました。
また美術館で作品を見る機会があれば、ぜひ今日のことを思い出しながら使ってもらえたら幸いです。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
今回のワークショップは、尾道市美術館ネットワーク特別企画「ミッション・イン・ミュージアム2024」のイベントの1つでもありました。ご参加いただいた皆さまには、なかた美術館オリジナルデザインの鉛筆をプレゼントしました。
次回の鑑賞会も空きがありますので、ぜひふるってご参加ください!
ミュージアムコンサート「フルートデュオとチェンバロで奏でる 鳥のさえずり」を開催しました
更新日:2024年7月2日(火) 【コンサート】
皆様こんにちは。梅雨に入り晴れ間が恋しい季節ですね。
6/23にミュージアムコンサート「フルートデュオとチェンバロで奏でる 鳥のさえずり」を開催しました。梅雨の鬱陶しさも吹き飛ぶような爽やかな音色が響き渡りました。
フルートは岡野映さんと宮原律さん、チェンバロは小田郁枝さんに演奏していただきました。
今回のコンサートは鳥や花にまつわるプログラムです。1曲目はアイルランド民謡の「庭の千草」。チェンバロとフルートで奏でられたこの曲は、聴いているとまるで穏やかな草原の中にいるような気分になりました。
「生まれながらのあでやかさ」は宮廷の貴婦人たちの華やかさや煌びやかな様子を表現した曲です。ヴェルサイユ宮殿で宮廷音楽家として活躍したクープランの作曲で、彼が目にしてきた美しくあでやかな女性たちを連想させる旋律です。チェンバロの繊細な音色で奏でられたこの曲は、宮廷の絢爛豪華な様子を私たちに伝えてくれました。
コンサートの途中で、宮原さんと岡野さんがフルートの仕組みや素材についてお話ししてくださいました。フルートは元々、人の骨に穴をあけたものだった、と聞いて驚きました。現在のフルートは貴金属の管体で優美な音を奏でてくれます。フルートごとにまかなえる音域もさまざまなようで、お二人が演奏されているフルートにもそれぞれの個性がありました。
その後、ドゥラヴィーニュの「花々」より「バラ」と「三色スミレ」を2本のフルートで演奏してくださいました。これらは元はリコーダー用の曲だったそうですが、フルートで演奏されるととても優美な音色に仕上がっていました。
フランスの作曲家ダカンの「かっこう」は、その名の通りチェンバロでかっこうの鳴き声を再現していました。物悲しくもリズミカルなこの曲は目を瞑って聞くと、森の中に佇んでいるようでした。
ウィリアムズの「鳥の鳴き声の模倣によるソナタ」は先ほどの「かっこう」のようにフルートで鳥の鳴き声を表現していました。さまざまな鳥の鳴き声がフルートで奏でられ、本当にたくさんの鳥と触れ合っているような気持ちになる楽しい曲でした。
ご来場いただいた皆様、出演者のお三方、どうもありがとうございました!
次回のコンサートは
7/28(日)夏休みチェンバロコンサート
毎年恒例の夏休みコンサートです!大人の方だけでなく、お子様にも楽しんでいただけるようなプログラムをご用意しています。サックスとチェンバロ、そして皆様の手拍子で、暑さに負けず盛り上がっていきましょう!
※定員に達したため現在はキャンセル待ちを承っています。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。