親子ワークショップ「花のブローチ」を開催しました。
更新日:2016年3月20日(日) 【nakata Labs なかたラボ】
先日、親子ワークショップ「花のブローチ」を開催しました。
今回は素材に「プラ板」を使いました。
プラ板、ご存じですか?
薄いプラスチックの板に油性ペンで絵を描いて、オーブントースターの熱で溶かして作るあの「プラ板」です。
私も小さいころ、キーホルダーを作って遊んでいました。
最近は油性ペンだけでなく、絵の具やパステルで着色したり、樹脂をコーティングしたりして
プラ板の世界は広がっていっているようです。
今回は透明なプラ板を使って、展示作品をカラー印刷したものをペンでトレースしてブローチにしました。
まずはブローチにしたい作品を選びます。
そして油性ペンで絵をなぞり描きしていきます。
細かい絵は根気が入りますね。
親子で頑張っています。
プラ板は割れやすいので、はさみで切り取る時も慎重に…
こんな仕上がりになりました。
実物とは印象が違って、また違ったおもしろさがありますね。
これらをオーブントースターで焼いていきます。
どんなふうに焼きあがるのでしょうか??
まだかなまだかなと、みんな首を長くして待っています。
しばらくすると、ひょろひょろひょろ〜っとプラ板が縮んできました!
まるで生き物のような動きに、みんな歓声を上げていました。
そして出来上がったものがこちら!
これはモーリス・ド・ブラマンクの「チーズとハム」です。
油絵特有のねっとりした感じやカサカサした感じを、いろんな色の油性ペンを重ね塗りしてして表現していました。
いろんな方向に走るペンの跡が油絵の筆跡そのものの様です。
こちらは小林和作の「バラ花」です。
いろんな色や形の花が、まるで宝石のようですね。
みなさん、次々と意欲的に作っておられました。
花、お日様、さかな…自由に好きなモチーフをかいたり。
絵だけでなく写真をトレースしていらっしゃいました。
ちなみに、おいしそうな卵とお皿に盛られた枝豆を作っています。
写真だと全然違った印象になるのが面白かったです。
たくさんのブローチが出来上がりました!
下の写真の右上にあるブローチは、先ほどのお皿に盛られた枝豆です!
実はこの犬は、画集の中で見つけた犬です。
たくさんの楽しい作品ができました!
プラ板は扱いやすい素材なので、子どもたちも夢中になって取り組んでいました。
なんといっても、作品がどんなふうに縮むのか、わくわくしながら待つ時間が楽しいですね!
参加者の皆さん、ありがとうございました!
コレクション展『日本近代の光』はじまりました
更新日:2016年2月25日(木) 【展覧会】
こんにちは。
寒さが続いていますが、庭園の枝垂れ梅は満開で、なんともいえない良い匂いがしています。
さて、新しい展覧会『日本近代の光』もオープンいたしました。
明治、大正、昭和をざっくり「近代」として、梅原龍三郎をはじめ、日本人画家たちが追い求めた色彩、筆致、構図や、
「自由な表現」や「個性」が重んじられてきた様子を、コレクションからご紹介する展覧会です。
そして、こうした動向に大きく影響を及ぼした、フランスの画家たちの作品もあわせて展示しています。
日本画の分野で活躍した伊東深水などの作品も含め、
時代のなかで育まれた様々な美意識や、画家たちが花開かせた表現をお楽しみください。
関連のワークショップで一番近いものは、3月13日(土)の親子ワークショップ『花のブローチづくり』です。
絵画をトレースしたり、自由にドローイングして、色鮮やかなブローチをつくってみませんか。
親子ペアでも、もちろんお一人様での参加も大歓迎です!
・日時|3月12日(土) 13:30〜15:30
・定員|15名
・参加費|大人1,000円 子ども500円(ペア1,300円)
・対象年齢|4歳以上
・持ち物|はさみ
春の気分を装いに加える、楽しいワークショップになりそうです。
また、第5展示室では小企画『藤田嗣治とパリ』を同時開催しています。
当館が所蔵する藤田嗣治の作品3点と、同時代にパリで交流した画家たちの作品をご覧いただけます。
この企画は、藤田の半生を描いた映画『FOUJITA フジタ』の、シネマ尾道での公開に合わせたものです。
ヴァン・ドンゲンやモイズ・キスリングなどは、実際に藤田と親交が深く、映画にも登場する画家なので、
あわせてご鑑賞いただくと、どちらもさらに楽しめるはず!と思います。
先日は関連して、シネマ尾道にて映画上映後にトークを行い、
当館学芸員として国近が、尾道市立大学芸術文化学部講師の西嶋さんとごいっしょしました。
20年代パリについて、フジタの生涯、彼が描いた作品について、映画そのものについて…
二人でしゃべり倒しまして、40分の時間が足りないくらいでした…。
ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました!
映画『FOUJITA フジタ』の上映は、2月26日(金)までです。
シネマ尾道にてご覧頂いた方には当館の割引券をプレゼント中ですので、ぜひぜひご利用くださいませ。
(割引券は本展会期中5月29日(日)まで有効です)
詳しい上映スケジュールはシネマ尾道のHPにて。
http://blog.livedoor.jp/seijun_kawamoto/
【訃報】 Paul AÏZPIRI ポール・アイズピリ
更新日:2016年1月30日(土) 【お知らせ】
2016年1月22日、当館のコレクションを代表する画家ポール・アイズピリ氏が、老衰のため逝去しました。
享年96歳でした。
アイズピリは1919年パリ生まれ。母親はイタリア人で、父親はバスクの血を引く彫刻家でした。
当初は家具職人となるためブールの象嵌学校に入学しますが、1936年よりパリ国立美術学校(エコール・デ・ボザール)で学び、1943年には初個展を開催。
1945年のパリ解放後に、ベルナール・ビュフェらとともに、青年絵画展(サロン・ド・ジューヌ・パンテュール)の創立会員となりました。
その後、プリ・ナショナル賞受賞、ヴェネツィア・ビエンナーレへの出品、ニューヨーク、東京、ジュネーブなど各国で展覧会を開催するなど、具象画家として名声を高めていきます。
パリのほかに、南仏の港町サントロペにもアトリエを構え、ヴェニスやバスクの風物、家族の肖像などを、鮮やかな色彩と自由なタッチで描きました。
年齢を重ねるにつれ、ますます明るく軽やかになっていったその作品は、多くの人々に愛されています。
アイズピリの作品はフランスのパリ市立美術館やルーマン美術館、またベルギーやオランダなど各地の美術館に所蔵されています。
日本においては山形美術館(山形)、ニューオータニ美術館(東京)のほか、ホテル二ューオータニ東京内の壁面に制作した7部作の油彩『カプリ島シリーズ』、ホテルニューオータニ博多のロビーを彩る全長12メートルのフレスコ画『博多の祭り(博多どんたく)』などのコミッションワークもあります。
当館では現在、1点の彫刻と43点の絵画を所蔵しており、ロゴマークもアイズピリ氏に描いていただいたものです。
展覧会を開催する際には描き下ろしのメッセージを送ってくださるなど、常に当館の活動に多大なご理解・ご尽力ををいただいておりました。
※写真は、2013年のパリのアトリエ訪問、および2014年〜2015年の「Paul Aizpiri ポール・アイズピリ展(なかた美術館)」において撮影したものです。
心から哀悼の意を表すとともに、謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。