ミュージアムコンサート「フルートデュオとチェンバロで奏でる 鳥のさえずり」を開催しました
更新日:2024年7月2日(火) 【コンサート】
皆様こんにちは。梅雨に入り晴れ間が恋しい季節ですね。
6/23にミュージアムコンサート「フルートデュオとチェンバロで奏でる 鳥のさえずり」を開催しました。梅雨の鬱陶しさも吹き飛ぶような爽やかな音色が響き渡りました。
フルートは岡野映さんと宮原律さん、チェンバロは小田郁枝さんに演奏していただきました。
今回のコンサートは鳥や花にまつわるプログラムです。1曲目はアイルランド民謡の「庭の千草」。チェンバロとフルートで奏でられたこの曲は、聴いているとまるで穏やかな草原の中にいるような気分になりました。
「生まれながらのあでやかさ」は宮廷の貴婦人たちの華やかさや煌びやかな様子を表現した曲です。ヴェルサイユ宮殿で宮廷音楽家として活躍したクープランの作曲で、彼が目にしてきた美しくあでやかな女性たちを連想させる旋律です。チェンバロの繊細な音色で奏でられたこの曲は、宮廷の絢爛豪華な様子を私たちに伝えてくれました。
コンサートの途中で、宮原さんと岡野さんがフルートの仕組みや素材についてお話ししてくださいました。フルートは元々、人の骨に穴をあけたものだった、と聞いて驚きました。現在のフルートは貴金属の管体で優美な音を奏でてくれます。フルートごとにまかなえる音域もさまざまなようで、お二人が演奏されているフルートにもそれぞれの個性がありました。
その後、ドゥラヴィーニュの「花々」より「バラ」と「三色スミレ」を2本のフルートで演奏してくださいました。これらは元はリコーダー用の曲だったそうですが、フルートで演奏されるととても優美な音色に仕上がっていました。
フランスの作曲家ダカンの「かっこう」は、その名の通りチェンバロでかっこうの鳴き声を再現していました。物悲しくもリズミカルなこの曲は目を瞑って聞くと、森の中に佇んでいるようでした。
ウィリアムズの「鳥の鳴き声の模倣によるソナタ」は先ほどの「かっこう」のようにフルートで鳥の鳴き声を表現していました。さまざまな鳥の鳴き声がフルートで奏でられ、本当にたくさんの鳥と触れ合っているような気持ちになる楽しい曲でした。
ご来場いただいた皆様、出演者のお三方、どうもありがとうございました!
次回のコンサートは
7/28(日)夏休みチェンバロコンサート
毎年恒例の夏休みコンサートです!大人の方だけでなく、お子様にも楽しんでいただけるようなプログラムをご用意しています。サックスとチェンバロ、そして皆様の手拍子で、暑さに負けず盛り上がっていきましょう!
※定員に達したため現在はキャンセル待ちを承っています。
ワークショップ「絵画のブローチを作ろう」を開催しました
更新日:2024年6月2日(日) 【nakata Labs なかたラボ】
皆さん、「プラバン」をご存じですか?
熱を加えると縮む性質を利用したプラスチック製のホビー用品で
ペンで好きな絵を描いてキーホルダーなどを作ることができます。
先日開催したワークショップ「絵画のブローチを作ろう」では
プラバンを使って展示作品のブローチを作りました!
まずはじめに、館内をゆっくり巡りました。
小さなプラスチックの板にペンでドローイング。
色んな絵のかけらが集まりました。
プラバンのいいところは透明なので絵を写し描きができるところ。
好きな絵のコピーを選んで転写します。
写して描くことは「ずるい!」と思うかもしれませんが
転写していくと、その作家のタッチや色の重ね方の特徴をつかむことができ、
絵を描くのが苦手な方でも、気負わず取り組むことができます。
転写したらオーブントースターで焼きます。
しばらくすると熱によって縮まってきます。
しゅるしゅるしゅるー!と、みるみるうちに小さくなりました!
出来上がったブローチをいくつかご紹介します。
今回の描画材として使った油性ペンは鮮やかな発色なので、
同じく鮮やかな色彩が印象的なポール・アイズピリの作品が人気でした。
アイズピリの絵には、実は色がたくさん隠れています。
肌の色には緑や青、紫などいろんな色が使われていますが、ペンでうまく表現されています。
こちらは香月泰男の「芙蓉」。
りぼんを使ってデコレーションを施してくれました。
こちらの2点は鈴木信太郎の「ばら」。
軽快な筆致まで再現されています。
小林和作「夏の果物」。
ペンの太さを変えながら背景の油彩の表情を表現しています。
どのブローチも、少ない色数をうまく組み合わせながら、
油絵の色味を忠実に再現されていました。
そしてこちらは番外編。
導入として描いたドローイングもオーブンで焼いて、キーホルダーに仕立てました。
透明な素材に、それぞれの線のタッチが生きていて素敵です。
胸元に、カバンに、色んなシーンで使っていただきたいですね!
参加者の皆さん、ありがとうございました!
ミュージアムコンサート「How to play the チェンバロ vol.4!!」を開催しました
更新日:2024年5月9日(木) 【コンサート】
皆様こんにちは。新緑が美しく、爽やかな季節ですね。
なかた美術館では4/29(月祝)にチェンバロコンサート「How to play the チェンバロ vol.4!!」を開催しました。今回は毎年恒例のレクチャーを兼ねたコンサートです。チェンバロの仕組みや演奏方法を学び、実際にその場で参加者の方にもチェンバロに触れていただきました。
演奏と講師を務めてくださったのは小田郁枝さんです。
チェンバロは、ジャックという木片の先についたプレクトラムという爪のようなもので弦を弾くことで音が出ます。形がよく似たピアノはハンマーで弦を叩いて音を出す打鍵(だけん)楽器ですが、チェンバロはギターやハープ、琴のように弦を弾いて音を出す撥弦(はつげん)楽器です。ピアノよりも軽やかな音を奏でます。
小田さんが演奏してくださった《アマリリス》からは、チェンバロの軽やかで華やかな音色がよく伝わりました。
指先を使って演奏するチェンバロは音の強弱が付けにくいです。そのため、アーティキュレイトという、音と音を切るような演奏方法で"拍感"を持たせて音を強調します。腕ではなく、指だけの動作でアーティキュレイトを入れるのがポイントです。バッハの《マーチ ニ長調》や《インヴェンション No.1》ではこのアーティキュレイトによる拍感を出した演奏が行われました。
チェンバロはペダルが無いため、音を響かせることも指の動きだけで行わなければなりません。次の音の鍵盤に指を移すとき、前の音の鍵盤に少し長く指を留めておきます。こうすることで、音の響きが長く続き音と音が繋がったような感触になります。《プレリュード ハ長調》はこうした音の広がりを使って演奏されました。とても滑らかに音色が響き渡り、心地よかったです。
参加者の方もたくさんチェンバロに触れて、学んだことを実践していました。お子様から大人の方まで、さまざまな方に触れていただきました。2段の鍵盤を使って演奏された参加者さんの姿も見えました。
今後もさまざまな形でのコンサートを予定していますので、皆様ぜひお越しください。
ご来場いただいた皆様、そしてレクチャーと演奏を務めてくださった小田郁枝さん、どうもありがとうございました!
次回のコンサートは6/23(日)チェンバロミュージアムコンサート
次回はフルートとチェンバロの共演です。鳥や自然にまつわる楽曲が演奏されます。どうぞお楽しみに!
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。