広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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尾道美術館旅券を発行します!

更新日:2013年5月3日(金) 【子どもと美術館】

「ジョルジュ・ルオー」展が開催されている尾道市立美術館にやって参りました。



 千光寺公園の名物・桜は新緑に変わり、いまは藤の花が満開です。



それにツツジ、鯉のぼりも!

きれいですねえ。



ほのぼの・・・。

 


はっ!

いやいや!

今日こちらにお邪魔したのは、仕事があってです!

とあるものをご紹介するためにやってきました。

GWを満喫する家族連れやカップルなどを横目に、撮影を・・・。


じゃん!

 

じゃじゃん!

 

じゃーん!


その名も、 「尾道美術館旅券」! です!

尾道市内の美術館・博物館のための「旅券」=パスポートとして、

今月から順次、これを市内小学校4〜6年生のみなさん全員に1冊ずつ発行します!


「旅券」をお持ちいただくことで、各館で特別な入館スタンプを集められます。

そして、もともと市内の全館は、小学生の入館は無料ですが、

同伴のご家族向けの割引や特典もご用意しています。

もちろん持ってないと入館できないわけではありません、念のため・・・)

 


中身は、ネットワーク各館の地図紹介のほか、

さまざまな美術館・博物館の観賞に役立つ用語集や、マナーガイドなどなど、

 



くわしくは、ぜひぜひ実物を手に取ってご覧頂きたく、早くみなさまのお手元に届けられるよう、鋭意準備中です。


この「旅券」を作成したのは市内の6つの美術館・博物館による「尾道市美術館ネットワーク」

構成するのは、圓鍔勝三彫刻美術館、尾道市立美術館、尾道市立大学美術館、

耕三寺博物館、平山郁夫美術館、そして、このなかた美術館。


近現代の絵画をはじめ、仏教美術から日本画、彫刻、ヴィデオアートやインスタレーションなどなど。

尾道でそれぞれの館が、専門でご紹介している作品は本当に多様です。

この複雑で、だからこそ面白いアートの世界を、より楽しく旅してもらうヒントが、この旅券には一杯つまっています。

(例えば、そのインスタレーションって何・・・?ということとか。)

 


もともとネットワークの共通項は、市内にあるということだけで、実は館のコンセプト、運営形態、地理的条件もバラバラです。

そうした状況の中、ほとんど唯一、手を取り合って来られたのが「教育普及」の分野です。

「教育普及」とは博物館・美術館の活動のひとつで、様々な人が学べる場であるための活動のこと。

特に子ども向けの 『夏休み 子ども学芸員の旅』 はその大きな柱でした。



そして、さらに多くの子ども達に向けた企画として、平山郁夫美術館の学芸員さんの発案によって

このプロジェクトが立ち上がりました。

以来約1年間、メンバー同士でたびたび集まり、手探りで、時には熱く炎上しながら協議を重ね、

この旅券作りに邁進してきました。

各館のさまざまな違いは、それを越えて連携した時にこそ、大きな強みとなって現れます。

例えばこのなかの用語集では、それぞれの専門分野を書いて持ち寄ることで、幅広いジャンルを網羅していますし、

これをきっかけに、各館をハシゴしてもらうことで、訪れてくださった方が、さまざまな芸術作品に触れて、より多角的にアートを体験をすることができるのではないかなと思います。


そして先日はFM尾道でも、大学美術館の矢島さんと一緒にPRして来たのですが・・・。



パーソナリティーのてんこさんのブログに「ホントのパスポートみたい!」との嬉しいお言葉が。

まさに本物みたいに、かっこよく! を目指して作りました。

持ってるだけで嬉しくなっちゃいます。 というか、私だって欲しい!


 

皆で考えた中身も、このデザインあってこそ・・・!

お願いしたのは尾道市立大学美術館の元スタッフ・山梨千果子さんと、

これまでも尾道に素敵なデザインをたくさん残してくれた尾道大学修了生の坂本実央さん。

お二人にも心から賛辞を送りたいと思います。


これからパスポートを手にとる尾道の小学校高学年のみなさん、どうぞお楽しみに!

そして学校の先生方や、ご家庭のみなさまにも、どんどん活用していただけるようにと準備しております。

どうぞよろしくお願いいたします!


 

 

 

春のガーデントーク

更新日:2013年4月29日(月) 【nakata Labs  なかたラボ】

本日、nakata Labsのレクチャー「春のガーデントーク」を開催しました!

これまで、初夏、秋、冬と開催してきたこのイベント、

美術館の庭園と裏山を、植物の専門家・浜田展也先生と一緒に散策しよう!という企画です。


 

お天気に恵まれた今日は、ガーデントークにうってつけ。

花も、まだまだ色んな所に咲いていました。


 


例えばこのイロハモミジ。

葉の下の、小さな小さな赤い丸が「花」だそうです!

この小ささの中に、きちんと雄しべも見えました。

モミジに花が咲いてるなんて、いままで考えたことがなくて新鮮!

カエデは広島県の木でもありますね。

 

足下には、小さなスミレ、トキワハゼ、蛇のようなジャゴケやスギゴケ、シダの仲間のイヌワラビなどなど・・・。



ほんの小さなスペースの中に、たくさんの植物たちが集まっています。


 

 

これから庭園の主役になっていくのはツツジ。

たくさんの種類があり、大きく分けると、もともと東西で分布が異なっていて、

その境界線は岡山市の真ん中あたりにあるのだそうです。



 

東日本由来のモチツツジは、花の付け根がペタペタとしていて指にくっつきます。

西日本のものは、もともと岸に咲いていたキシツツジ。


雄しべの数も、10本と5本とで違います。

それぞれ植物には「基本の数」があって、例えば花びらが5枚なら、雄しべも5の倍数というふうに、法則があるそうです。

身近なツツジですが、意外に知らないことだらけでした。

実は「毒」がある!というのも初めて知りました。(みなさんご存じでしたか?)

葉っぱをたくさん食べたりしないほうがいいみたいです。

 

花がすぼまっているこちらは、ドウダンツツジ。



ちょっと似ていますが、スズランのような可愛らしい花をつけたアセビ。



 

漢字で書くと「馬酔木」で、これにも毒があり、馬がフラフラになってしまうからとのこと。

でも、ほんとうの馬や牛はよく知っていて、放牧していたような場所でも、

アセビやツツジの仲間などは食べずに残されているそうです。

 

春におなじみのモクレン。



あらゆる植物のグループと同じDNAをもっていて、原種に近いのだそうです。

原種に近い=雄しべや雌しべがたくさんあるのも特徴のひとつとのこと。

 

こちらはオオデマリ。



ぱっと見はアジサイに似ていますが、実は花のつくりが異なっていて、

アジサイは、四つのガクが分かれて花びらのようになっていますが、

こちらは、花びらの根元がくっついたラッパ状になっています。

ツツジなんかもラッパ状ですね。


ツバキもまだまだ見頃です。



こちらはボトルブラシツリー。

試験管を洗うブラシにそっくりです。


 


ローズマリーの花。



可愛らしい花の間からのぞく枝。

中が空洞なこちらは「空木」=ウツギの仲間のヒメウツギ。



彼は、本日いちばん熱心にメモ&スケッチをしてくれていました。



どんどん裏山に登っていきます。



 一体どこにいるのだか、忘れてしまいそうです。


 

 

こちらは、松に似てますがヒマラヤスギ。

真新しい葉がみずみずしいです。


 

 

陽射しはあたたかくて、木陰はしっとり気持ちよくて、緑が輝いていて、しみじみ良いなあと思いました。

(あと、蚊もまだ出ませんし・・・。)



そのほかにも、たくさんの話を伺いました。

花びらも雄しべも雌しべも、もともとはそれぞれ葉っぱだったこと。

つまり、種のもととなる胚珠や、雄しべの先の花粉が入っている部分(ヤク)も、

葉っぱを折りたたんだところから始まったのだそうです。

 


また花びらは、花が「こいつに花粉をつけてもらいたい」と思っている(?)

虫や生き物に合わせた形に進化しているのだということ。

小さくすぼんでいるのは、小さな虫だけを入れるため。

東南アジアでは、細長くて、奥行きが30cmもあるランの花に合わせたかのように、

30cmもの口吻をもつ蛾がいること!などなど。

想像するとちょっと恐いですが、虫と花が一緒に進化してきたなんて、偶然にしては、できすぎ!

ほんとに奥が深くて不思議で、わくわくします。

 


あっという間の90分。楽しいガーデントークでした。

浜田先生、ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました!


庭園と裏山は、美術館かレストランをご利用いただければ、散策していただくことができます。

今まさに散策にピッタリの季節です。

未体験の方はぜひぜひ、歩きやすい靴で美術館に来て、植物の世界も楽しんでみてくださいね。

 

 

春の音色 ー東西古楽器の競艶ー を開催しました。

更新日:2013年4月28日(日) 【コンサート】

気持ちよく晴れた今日、春にぴったりのコンサートを開催しました。

「春の音色 東西古楽器の競艶」

所蔵のチェンバロに、尺八と箏(そう)という、かなり希少な組み合わせ。

でも、いずれも日本と西洋の伝統的な楽器です。



箏と尺八で奏でられる、凜としたハーモニー。

そこにチェンバロが加わることで、重層的な音楽になっていきます。

おなじみの「さくら」や、尾道にあわせた「岬の灯台」など

 


そのほか、バッハの「春」など、バロックの音楽も奏でられました。



「古楽器」は西洋音楽において、19世紀以前に生まれ、時代に合わせて改良される前の形の楽器のことです。

チェンバロも、18世紀後半からはピアノの隆盛によってほとんど使われなくなりましたが、バッハなどバロック音楽の多くはチェンバロで作曲されたものです。

 

古楽器は、デリケートでメンテナンスが大変であったり、大きなホールに向いていなかったり(逆に美術館にはぴったり!)

チェンバロも毎回、演奏の前に念入りな調律が施されます。(これも演奏者の小田さん自ら行われます)



箏(そう)は琴(こと)の仲間ですが、違いは弦の数。

通常、箏が13弦で、琴は7弦。

また、箏は弦をささえる「柱(じ)」を使って、音程を調整します。

そして、ちょっとややこしいことに、「琴」は、もっと小さな和琴なども含めた弦楽器の“総称“としても使われます。

 

 

そして尺八。中国から伝来し、昔は儀式で使われるもので、男性しか演奏できないなどの制約がありました。

今日は、二本の尺八を使い分けて演奏していただきました。

日本の風景を思い起こさせるような、繊細で情緒ゆたかな音色は、意外と耳にする機会も多く、

懐かしさや親しみを感じるかたも多かったのではないでしょうか。



尺八の音程を、ふつうの五線譜に置き換えるのはとても大変だそうですが、

プログラム最後の「上を向いて歩こう」では、

口笛風の音色で奏でられるなど、楽しいテクニックも披露して下さいました。

 


すばらしい演奏に、とてもあたたかな喝采で締めくくられました。

 

出演者の皆様、そしてお越し下さった皆様、どうもありがとうございました!



次回は、6月23日(日)「緑の菩提樹の下で ー語り合う2台のチェンバロー」


大小のチェンバロを使った連弾などで、バロックの名曲の数々をお届けします。

どうぞお楽しみに!


 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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