チェンバロミュージアムコンサート 「秋のバロック・チェロソナタ」
更新日:2014年11月6日(木) 【コンサート】
こんにちは。
涼しいというより、肌寒くなってきましたが・・・。
その分、木々が色づいてきました。
さて11月2日、アイズピリの作品に囲まれてミュージアムコンサート 「秋のバロック・チェロソナタ」 を開催しました。
今回は東京から、若手チェロ奏者の永瀬拡輝さんをお招きし、小田郁枝さんのチェンバロとともに。
バロックチェロの音色は情緒があって心地よく、チェンバロの弾む音色を包み込んでよく響きます。
曲の合間には、この「バロックチェロ」が、通常見られるモダンチェロとどう違うのか、レクチャーしていただきました。
まず、大きさはほぼ同じ。
ですがバロックチェロには、“エンドピン”という床に刺して安定させるための部品がありません。
奏者が直接、脚ではさんで固定させて演奏します。
そのため、一体感が出て音をコントロールしやすいこと、また床材に音色が影響されず、明るい音色になるという効果があるそうです。
また、モダンチェロが使う金属の弦ではなく、ギターなどと同じガット弦を使うので、
モダンチェロに比べて音が丸くてやわらかいとのこと。
チェンバロとも、とてもマッチしています。
そして弓。
実際に見せていただきましたが、なんと反り方が逆!
先のほうが細くなり、張ってある毛も少ないため、音が軽やかに奏でられるそうです。
前半は、イタリアの作曲家スカルラッティ父子やマルチェッロなどの華やかな曲、
そして後半はバッハやヘンデルなど、重厚でしっとりした曲を中心に。
二部構成で、アンサンブルにソロを交え、たっぷりとバロックの音をお届けしました。
穏やかな秋の一日に、ゆっくり音楽を楽しんでいただけたのではないでしょうか。
今回も多くの皆さまにお越し頂きました。どうもありがとうございました!
次回は12月21日(日) 「魂の響き クリスマスに歌う」
早いですね〜〜クリスマス!!!
なかた美術館でも初めての、ちょっと珍しい“ライアー”という楽器が登場します。
中世ヨーロッパでに親しまれた竪琴のような楽器とのこと。
そしてソプラノとチェンバロも一緒に、クリスマスにぴったりの歌曲をお届けします。
どうぞお楽しみに!
詳しくはこちら → http://nakata-museum.jp/concert/
特別展 『Paul Aizpiri ポール・アイズピリ展』 はじまりました
更新日:2014年11月2日(日) 【展覧会】
特別展『Paul Aizpiri ポール・アイズピリ展』がはじまりました。
ポール・アイズピリは1919年生まれのフランスの画家。
2014年に95歳となった今も、パリのアトリエで絵を描き続けています。
1983年の第一回「絵のまち尾道四季展」に招待作家として尾道に招いて以来、
交流を深め、なかた美術館で中心的にコレクションしてきました。
実は美術館のロゴマークも、アイズピリのデザインによるものです。
今回はそのコレクションだけに留まらず、
アイズピリが30代の頃の作品や、90歳を超えた近年の作品などを特別にお借りして、
100点余りの展示で、その魅力と画風の変遷をご紹介しています。
そしてアイズピリの祖父の故郷であるバスクを主題にした作品や、
ビエンナーレに参加して以来、描き続けているヴェネツィアの風景、
イタリアの古典演劇に影響を受けた作品など、
アイズピリが取り組んできた多彩なテーマもご紹介しています。
これだけの作品が一同に集まる機会はそうないのでは・・・!と思っています。
アイズピリファンの方も、これまでと違う発見もあるのではないでしょうか。
もちろん、これまでご存じなかった方にも、ぜひご覧いただきたい展示になっています。
会期中は「nakata Labs(なかたラボ)」のイベントもたくさん計画しています。
どうぞお楽しみに。
11/9(日)13:30〜15:00
ワークショップ『アイズピリへの手紙』
きれいな色とおもしろい形を切り貼りして、コラージュで
オリジナルの封筒と便箋を作ります。
アイズピリや、あなたの大切な誰かに手紙を書いて送ってみませんか。
対象:小学生から大人まで
定員:15名 参加費:1,000円
持ち物:色鉛筆、ペン、はさみ、のり
特別展 「Paul Aizpiri ポール・アイズピリ展」
会 期 = 11月1日(土)〜2015年2月22日(日)
開館時間 = 9:00〜17:30(入館は17:00まで)
休館日 = 月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
※12/22(月)は開館
※12/29(月)〜1月5日(月)年末年始休館
主催 なかた美術館
WORKSHOP × BOOKS 3 いない場所、見えていること
更新日:2014年10月16日(木) 【nakata Labs なかたラボ】
台風も過ぎ去って、尾道もずいぶんと寒くなってきました。
先日12日に作家の安田暁さんを講師に迎えて、写真を使ったワークショップ「いない場所、
見えていること」が行われましたのでそちらをご報告。
まずは安田さんに作品を解説してもらいながら展覧会を鑑賞。
安田さんは写真を主な媒体として作品を作っていらっしゃるので、「写真」を軸にしてそ
れぞれの作家の作品を解説してくださいました。
写真は、一枚のものでありながらも、様々な素材や時間が変化を遂げ層を成している
こと。しかしそれはやはり一枚のものであること。
そんな写真の要素と比較しながら作品を見ていくと、絵画やインスタレーションの作品も
また違った見方ができて興味深いお話でした。
そしていよいよ本題。
今回のワークショップは参加者の方に「気に入っている写真」、「気に入っていない写真」を
いくつか持参してもらいました。
その写真を使ってどのようなことをしたかというと…
こんな風に写真の一部をペンで消していきます!
どこを消してみようかな〜と考え中。写真の気になる部分を消す方もいれば、気になる
部分を残して他の部分を消していく方もいました。
同じ写真でも消す部分が変わることで見え方も変わってきいますね。
そして次のステップへ。今度は砂糖や塩などの粒子を使って先ほどのように像を消して
いきます。
いったいどのようなものが出来上がるのでしょうか?
彼は滝の写真を持ってきてくれました。滝の部分だけを砂糖で覆っていくようです。
まず筆を使って糊を塗っていって、そこにパラパラと砂糖をふりかけていきます。
それはまるで料理を作っているかのようです!
今回、さまざまな粒子を使ってみました。
塩、砂糖、白い砂、アクアリウム用の茶色い砂、日本画で使う白い岩絵の具。
同じ白色でも、粒子の荒い砂糖と粒子の細かい岩絵の具では随分表情が違いますし、
同じ砂でも白い砂と茶色い砂ではまた違った世界をつくりだしますね。
写真に映りこんだ世界と、粒子の質感と、作り手の意思が連鎖反応を起こして、なんと
も面白い作品がたくさんできました!
皆さんこんなにたくさんの作品をつくってくれました!
自分の意思だけではどうにもならない部分、気づかなかった部分をヒョイっとつまみ出
してくれる、楽しいワークショップでした。
安田さん、参加してくださった皆様、ありがとうございました!
安田暁さんも出品されている今回の展覧会 「”静かなもの”×BOOKS」 も今週末19
日までです。ぜひみにいらしてくださいね!
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。