展覧会最終日のコンサートでした。
更新日:2013年6月23日(日) 【展覧会】
本日、チェンバロミュージアムコンサート『緑の菩提樹の下で』を開催しました。
副題は「語り合う2台のチェンバロ」。 チェンバロを2台使ったコンサートです。
こちらが今回使った、小型チェンバロ「イタリアン・ヴァージナル」
なかた美術館所蔵のチェンバロと同じく、久保田 彰さんのチェンバロ工房で製作されたものです。
木の素材感を活かした装飾が素敵です。
弦は、鍵盤に対して横方向に張られています。
ソロや連弾、合奏で、様々な時代、国のバロックの曲をお届けしました。
凜としたソロ、力強く重層的な合奏など、チェンバロの音色が幾通りにも変化して驚きます。
ヴァージナルも小さいけれど、音はしっかり!
大きく弾けるように響いて、リュートやギターに、より近い音色です。
楽曲も、「バロック」と一口に言っても、時代や国によって傾向が異なっていて、
例えばイタリアは、明快で力強いメロディで、フランスは優美で艶やかであったり、
絵画の歴史にも似ているなあなどと思いました。
次回のコンサートのお知らせです。
8月11日[日]
なんと、10人編成の古楽アンサンブルと、チェンバロの共演!
感じる光、感じる色彩。
更新日:2013年3月29日(金) 【展覧会】
「なかた美術館コレクションプラス 感じる光、感じる色彩。 フォーヴと日本近代洋画」展オープンしています。
少し遅くなりましたが、ちょっと中身をご案内します。
フォーヴとはフランス語で「野獣」という意味。
1905年のサロン・ドートンヌで、ヴラマンクやマルケ、マチスらが発表した原色を多用した生々しい絵の具の表現による作品を発表し、
その強烈なインパクトから野獣に例えられ、「フォービスム=野獣派」という言葉が誕生します。
画家の主観を重視し、色彩を理論や従来の写実的な役割から解放したフォービスムの影響力は大きく、絵画の可能性を広げました。
この度は、コレクション+(プラス)ということで、なかた美術館のコレクションに見るフォーヴの作家達、
そして日本でその影響を受けた作家達をご紹介しています。
そして、2点のルオーと1点のドンゲン作品をお借りして、一緒に展示しています。
キース・ヴァン・ドンゲンは、フォービスムの代表的な作家です。
大戦後、肖像画家として名声を得た頃の作品を展示していますが、人間の性を鋭く見つめた彼のまなざしは健在です。
そして、ジョルジュ・ルオー。
自身は、フォーヴの作家ではないと否定していますが、その表現の烈しさから、しばしばフォーヴととらえられていました。
特に日本では、その精神性の高さ、表現の独自性によって多くの画家に影響を及ぼしました。
現在は「尾道市立美術館」でも、「ジョルジュ・ルオー」展が開催されています!!(5/12まで)
今回は、双方ともにルオー作品をコレクションしていて、現在展示中。ということで、
尾道市立美術館の学芸員・宇根元さんに、解説文を書き下ろしていただき、なかた美術館で書いたものと合わせた資料にしてみました!
リバーシブルになっています〜
これを読めば、作品を見るのがますます楽しくなることまちがいなし!
数量限定で配布中ですのでお早めに。
尾道でたっぷりルオーを味わえる、またとないチャンスなので、ぜひぜひ両館とも足を運んでみてくださいね。
さてさて、話を戻しますと、明治以降の日本の作家たちは、フランスの近代美術を様々な角度から学び、受け入れて来ました。
中でもフォービスムは、その自由な色彩表現や筆遣いによって、若い画家の心をとらえ、日本の「洋画」を多様化させた、とても重要な動きでした。
日本人なりの油彩表現を追求していく中で、フォーヴのインパクトはとても大きかったのですね。
画家たちが感じ、絵の中に表した光や色彩を感じていただければ幸いです。
そして「Paul AÏZPIRI ポール アイズピリ」展も、同時開催しています。
当館ではおなじみですが、今回は初期から近年の作品まで、まとめて展示しています。
彼も、感覚的な色彩や光の表現に、とても長けていますね。
あわせて、アイズピリのドキュメンタリーの上映も行っています。
真っ白なキャンバスに描き始める彼。アトリエの様子や、絵画についての語る様子などを見ることができます。
ゆっくりご覧頂けるようになっていますので、こちらもぜひ。
「感じる光、感じる色彩」会期は6月23日(日)までです。どうぞお楽しみ下さい。
風景画 fukei-ga 後期が始まりました。
更新日:2012年11月15日(木) 【展覧会】
本日より「風景画 fukei-ga」の後期がスタートしました。
平日にもかかわらず多くの方にお越し頂きました。どうもありがとうございました。
後期で展示しているのは全52点。
展覧会の軸となる作品を集めた『風景画』
三河湾や尾道水道を見渡す『島のある風景』
中村琢二、中川一政らによる『尾道の景色』
コレクターに愛された『ポール・アイズピリ/ジル・ゴリチ/ピエール・クリスタン』
日本人画家たちによる異国の『なかた美術館コレクションに見る風景』 の5つのテーマで展示しています。
本展は、開館15周年を記念し、全てのコレクションを展示・公開する企画の一環なので、今まで、あまり展示してこなかった作品も登場しています。
何度も足を運んでいただいている方でも、初めて目にする作品があるのではないでしょうか。
しばしば登場しているコレクションも、作品の組み合わせや切り口を変えることで、新鮮に見えてきます。
前期に比べ、サイズが大きい作品をたくさん展示しているため、見応えも十分!
コローやマルケなど、軸となる作品は引き続き展示していますが、ほぼ全ての作品を入れ替えたので、前期と全く別の印象を持った展覧会になっています。
会期は12/16[日]までと短めですが、それを今頃になって(ちょっともったいなかったかも・・・)と後悔してしまうくらい。
ぜひお早めにお越し下さい。
足早に冬が近づき、庭園の紅葉も美しく色づいています。
今週末11/17[土]14:00〜は、学芸員によるギャラリートークを開催します。
庭園の散策と合わせて楽しみたい方は、ぜひこの機会にお越し下さい。
冬のガーデントークは、12/8[土]14:00〜開催します。
まだ予約に空きがありますので、こちらもぜひ!
ガーデントークの前、12/1[日]にはキッズ・ワークショップ「光をうつす」を開催します。
空気が澄み切って、空の高さや光のきらめきが感じられる季節なので、
デジタルカメラを持参していただいて、写真を撮るワークショップを考えています。
詳細は決まり次第、ここでもお知らせいたします。 どうぞお楽しみに!
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。