ワークショップ「あたたかクリスマスオーナメント」を開催しました。
更新日:2015年12月20日(日) 【nakata Labs なかたラボ】
尾道は寒くなったりあたたかくなったり不思議な冬です。
先日、ワークショップ「あたたかクリスマスオーナメント」を開催しました。
春に羊毛フェルトを使って「たね」を作ったのですが、
今回はふわふわやわらかなオーナメントを作ります。
まず、作りたいオーナメントのイメージ図を描いてから、 使う羊毛を選びます。
鮮やかな色味、落ち着いた色味、パステルカラー。
羊毛フェルトにはたくさんの色があるので迷ってしまいます。
形を整えながら羊毛をひたすらニードル針で刺していきます。
針の先に溝が彫ってあるので、何度もチクチク刺すことによって羊毛が絡まりフェルトになります。
作業自体はとてもシンプルなので、みなさん黙々と手を動かしていらっしゃいました。
こちらは まんまるの顔。
一体どのような作品になるのでしょうか。
まるい形とまるい顔をくっつけて…
帽子とマフラーを着せました。
もうお分かりでしょうか?
スノーマンの出来上がりです。
芯に球体の発泡スチロールを入れているので、きれいなまるに仕上がりました。
まるい形の芯を見て、すぐにアイデアが湧いたようでした。
さて、こちらのみどりいろの三角形はいったいどんな風になるのでしょう。
三角形を3つ重ねて、クリスマスツリーの出来上がりです。
星やハート、鳥などのモチーフが飾ってあってとても可愛らしいですね。
手のひらよりも大きい大作ができました。
こちらはまるいオーナメントにスパンコールを縫い付けています。
フェルトは柔らかいのでビーズを縫い付けたり、刺繍糸でステッチを施すこともできます。
こんな感じに出来上がりました!
シンプルなオーナメントもアイデア次第でこんなに素敵に仕上がります。
手前のふわふわしたおうちも、あたたかみがあります。
ちいさなお子様も参加してくださいました。
最初は針を使っていたのですが、お母さんもハラハラ…
そこで、石鹸水を使って作ることにしました。
薄い石鹸水を羊毛にかけてコロコロ手で丸めていくと、羊毛が縮んでフェルトになっていきます。
セーターを洗濯して縮んでしまったときと同じ原理です。
この方法だったら針を使わないので、お子様でも安心して作れます!
コロコロ丸めて作ったフェルトに、ビーズを通したリボンをつけるとこんなにかわいくなりました!
こちらの方は、花びらを一生懸命作っておられました。
緑と赤の配色もクリスマスらしいですね。
チーズを狙っているネズミ。細部まで丁寧につくられています。
最近では手芸屋さんで手作りキットがたくさん出ていて、羊毛フェルトも手軽に体験できるようになったので、
アイデア次第でいろいろ可能性がひろがります。
芯に丸い発泡スチロールを使ったり、中に鈴を入れて音が鳴るようにしたり…
みんなで作ると 「なるほど!」 とアイデアの共有ができるのがいいですね。
完成したフェルトの質感も、ふわふわしていたり、ギュッとつまっていたり、人それぞれ違っていて
手作りならではのおもしろさを発見することもできました。
参加者の皆さんが今回作ったオーナメントを眺めながら、楽しいクリスマスを過ごしてくれたら嬉しいです。
ありがとうございました!
親子ワークショップ「秋のくるみボタンづくり」を開催しました。
更新日:2015年11月17日(火) 【nakata Labs なかたラボ】
寒くなり夜の時間が長くなってくると、家でゆっくり針仕事をしたくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
先日、親子ワークショップ「秋のくるみボタンづくり」を開催しました。
くるみボタンは別名「包みボタン」とも言われ、アルミなどでできたボタンの芯を布でくるんで(包んで)作ります。
かたちもコロンとしてかわいらしいので、てっきり木の実の「胡桃」が名前の由来だと思っていました…。
講師には、服飾家「*M.」として尾道で活動されている三上美香さん。
三上さんの作る洋服やかばんは、かたちや柄がかわいらしく、とても丁寧につくられたものばかりです。
今回は三上さんに指導をいただきながら、刺繍をしたり布専用のクレヨンで絵を描いたりした布を使って、
くるみボタンを作りました。
まずは美術館の中の作品を見ながらドローイングをしてもらいました。
真剣なうしろ姿…
一生懸命描いてます!
風景画の中にはいろんなかたちの木や家、動物や人が隠れています。
みなさんじっくり作品をみながら、たくさんのかたちを見つけ出してくれました。
今回は親子ワークショップという事で、小さいお子さんもたくさん参加してくださいました。
針を使うと危ないのでは?と思われるかもしれませんが、
刺繍枠を使うとお子さんでも比較的安全に刺繍ができます。
布にまるい型を描いて、その中にデザインしていきます。
ちくちく、ちくちく。ひと針ずつ丁寧に。
難しい糸通しもがんばってます!
どんなボタンになるのでしょう。
布へデザインしたら、専用の打ち具をつかって仕上げます。
打ち具の中に、まるく切り取った布とボタンの土台をつめて
金づちでトントンたたいて固定します。
道具があれば、力もいらず簡単に作ることができました。
出来上がったものがこちらです!
クレヨンの自由な線と刺繍のすこし不自由な線が重なって、かわいらしい素敵なボタンができました。
まるい型の全体にデザインしていても、ボタンにすると半分以上は隠れてしまうのです。
でも逆に偶発的なおもしろさがありますね。
「わたしも!わたしも!」と仕上げの作業の順番待ち。
打ち具からコロンと完成したくるみボタンが飛びだすと、子どもたちも「おおーっ!」と完成をあげて嬉しそうにしていました。
くるみボタンは洋服に取り付けるだけでなく、
ヘアゴムやヘアピンに取り付けたり、ブローチにしたり、アイデア次第でいろいろな使い方ができます。
きっとどのボタンも素敵な小物へ変身するでしょう!
講師の三上さん、参加者の皆さんありがとうございました!
ワークショップ「色の標本箱」を開催しました
更新日:2015年11月5日(木) 【nakata Labs なかたラボ】
一段と寒くなってきた尾道です。気づけば今年も残り2カ月を切りました。月日が経つのは早いですね…
先日、ワークショップ「色の標本箱」を開催しました。
記録や保存としての要素もありながら、まるで箱の中だけ時間が止まってしまったような、ロマンチックな要素も持ち合わせた標本箱。
標本箱と言えば昆虫や鉱石を思い浮かべますが、今回は 展示作品に使われている 「色」 を閉じ込めてみました。
まずはじめにウォーミングアップ。水彩絵の具を使ってグラデーションになるように色を塗っていきます。
青からむらさきを経て赤へ、1つの色に水を徐々に加えていってだんだん淡い色へ。
微妙な水や絵の具の調整はなかなか難しかったです。
そしていよいよ標本を作っていきます。
どの様にして作っていくかというと…
まずパレットの上で絵具をいくつか混ぜ合わせて絵の中に使われている色をつくり、画用紙に塗ります。
風景画には描かれたときの光や、描いた場所や時間、画家の心境などいろいろな要素が含まれています。
そのため一見同じ色でも、よく見るとたくさんの色を見つけることができます。
少しづつ、いろんな色を混ぜて…
画用紙のかたちは まる や さんかく、星や花などさまざま。
そしてそれらをノートに並べていきます。
標本というからにはデータが必要です。今回は色の図鑑を参考にして、作った色の名
前を表記しました。
色の索引と照らしあわせながら…
マロングラッセ、キャラメル、カフェオレ…
フランスの色の名前は食べ物を由来としたものが多いです。
おなかがすいてきますね。
撫子、桔梗、胡桃色など、日本の色は植物を由来としたものが多いようです。
自分が見つけた色が素敵な名前だと嬉しいものです。
参加者の皆さん、研究者のように黙々と取り組まれていらっしゃいました。
そして完成したものがこちらです。
タイトルなどの作品のデータも忘れずに。
色を抽出する作業によって、
絵画が普段の顔と違う見え方で目の前に現れてきました。
完成した瞬間、 「できた―!」と歓声を上げることはなく
作業している間に小さな喜びがじわじわと蓄積し、完成した形をみて喜びを隠しきれず
にニヤニヤしてしまう、そんな静かなワークショップでした。
しかし、予想外の色を使っていることに驚いたり、
同じ作品でも、人によって選択する色が違うので、出来上がった標本が全然違う
雰囲気になったり、
この静かなワークショップ、まだまだたくさんの可能性を秘めているようです。
参加者の皆さん、ありがとうございました!
※以下の書籍を使わせて頂きました
濱田 信義 (2007) 『日本の伝統色』
城 一夫 (2008) 『フランスの配色』
城 一夫 (2011) 『フランスの伝統色』
ともに ピエ・ブックス
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。