広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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秋の訪れ

更新日:2012年10月28日(日) 【コンサート】

本日、チェンバロミュージアムコンサート「秋の訪れ」を開催しました。

木管楽器のファゴットとオーボエ。そして「弦」以外すべて木でできているチェンバロの共演です。

 


オーボエはオーケストラでも花形。少し哀愁を帯びたような情感豊かな音色が特徴です。

きらきらした鈴のようなチェンバロの音色が旋律のアクセントになり、ファゴットの深い音色が全体を支えます。

 


3つの楽器は、同じ素材だけあって素晴らしいハーモニーを響かせてくれました。


 

少しめずらしいファゴットのソロ。



ベゾッツィの「ファゴットと通奏低音のためのソナタ」です。

ファゴットはオーケストラに必ず入っている楽器ですが、どちらかというと縁の下の力持ち。

でも、チェンバロと同じくらいの時代から演奏されている、歴史ある楽器です。

やわらかく、のびやかな低音が、包み込むように会場を満たします。

 

 

そして今回はオーボエを2種類使っていただきました。

こちらは、“愛のオーボエ”という意味の「オーボエ ダモーレ」。


 

J.S.バッハが好んで使ったというこの楽器は、残念ながら演奏されることは少ないそうですが、

その名の通り、オーボエよりも音色が柔らかく、繊細なニュアンスを奏でることができます。


チェンバロのソロでは、可愛らしい曲あり。意外にも、力強く激しい曲もあり。



最後は、三人でメヌエットの心地よいリズムをお届けしました。

 


今回は1時間半のプログラムで、バロック音楽の魅力をたっぷりとお届けできたのではないでしょうか。

たくさんの方にお集まりいただきました。皆様、どうもありがとうございました。


さあ、次回はいよいよ、クリスマスです。



12月23日(日・祝) クリスマスに歌う

ソプラノとリコーダーで、クリスマスにふさわしい歌曲を高らかに奏でます。

特別なクリスマスを、華やかなクラシック音楽で彩ってみませんか。

詳細はコンサートのページ


わくわくしますね。どうぞお楽しみに!



さて、時々ブログの更新が滞ったりしている今日この頃。

ご存じない方もいらっしゃるのでは、と思い、なかた美術館の「twitter(ツイッター)」を改めて告知させていただきます。

こちらで、ブログよりも速く、頻繁に、新しい情報をお届けしています。



ブログに載せるまでもない、日々の何気ないことや、美術館で今起こっていること、

ワークショップの実況、イベントの告知、ブログの更新などなど・・・


よく分からないよ〜という方も、自分で始めるのはちょっと・・・という方も、

なかた美術館のホームを覗いていただければ、ご覧いただけますので、ぜひ。

https://twitter.com/NakataMuseum


そして、facebookにも「なかた美術館」のページがあります。



互いに連動しており、どちらかの投稿がそれぞれ反映されるようになっております。(ほとんどtwitterからの投稿ですが)

なので、facebookのほうでチェックしていただいても嬉しいです。

http://www.facebook.com/nakatamuseum

というわけで、色々ありますが、やっぱりブログもちゃんと更新しますので、それぞれ、どうぞよろしくお願いいたします!





 

観賞ワークショップを行いました!

更新日:2012年10月26日(金) 【nakata Labs  なかたラボ】

先日、尾道市内の中学校の美術の先生方が、研修に来てくださいました!

いただいたリクエストは「観賞教育について」ということで、はりきってワークショップを行いました。

今回取り組んだのは「フォトコラージュ」。

一人一人、気に入った作品をデジカメで撮影し、その写真を使ってコラージュ(貼り絵)作品を作ってもらいます。

 


撮影のポイントは二つ。

1.作品の全体を、八分割して撮影。

2.自分がいいなと思った部分を一箇所、アップで撮影。


こうしてできた合計9枚の写真を、パズルのピースのように組み合わせて貼りつけます。

この時、「いいなと思った部分」の写真が、一番上に重なるようにします。


 

もちろん、ぴったり八分割になんて撮れませんので、大きさも、位置も、角度もちぐはぐ。

それを、もとの作品に近づけようとしても、どうしてもずれてしまいます。

そうやって作業をしていると、新しい形や、面白い形が見つかって、思い切ってずらしてみたくなったりします。


山の端を長くつなげてみたり、海が遠くまで続いていたり・・・

そのせいでキャンバスの形がどんなにガタガタになってもOKです。

 

カメラを通したり、印刷された状態で見ることで、作品に直接向き合う時の緊張や、照れくささが薄まり、

コラージュをしている間も、じっくり作品を観察しているので、細かい部分に気づいたりします。

 

 

スーツ姿の大人達が、美術館でもくもくと作業。

こういう光景が、色んな美術館でも見られるようになればなあ・・・と夢がふくらみますね。

 

 


さて、もうひとつの作業は、作品の中に描かれているものを、言葉で書き出すこと。

今回は、後で並べ替えられるように付箋を使いました。



「青い海」、「小さな雲」、「遠くの山」・・・

まずは単純なこと、当たり前に見えるものから、どんどん書き出していきます。とにかくたくさん。

徐々に詳しく、自分しか見つけられないような言葉を書き出せるといいですね。

 

たくさん書けたら、自分のフォトコラージュ作品を印刷したワークシートに、付箋を貼り込んでいきます。


 

 

 

ここで大事なのが整理することです。

書き出した言葉を一旦並べてみて、どの言葉がより大事か、より作品について分かりやすく言い当てているか、優先順位を考えながら並べ替えます。

新たに書き足しても、矢印で結んだりしても良いですし、いらない言葉は捨てても良いです。



こうして目に見える形にすると、作品がどう見えたのか、自分が惹かれたのは何か、すこし客観的に考えることができますよね。

そして観賞教育というと、様々な「言葉」を話したり、読んだり、あるいは書いたり・・・言葉に重きが置かれますが、

今回は、言葉と同時に手を使うことで、より自然に作品を解きほぐすことができたのではと思います。


 

最後、ワークシートと元の作品を見比べてみました。

ワークショップの後だと、元の作品も、さっきとは違って見えてきます。

自分が取りくんだ作品についてはもちろん、誰かの取り組みや、言葉を共有することで、作品の見え方がぐんと広がります。


 

美術に携わっておられる先生方とのワークショップは、私達にとっても大変貴重な時間となりました。

これからもこうして、どんどん活用の機会をいただければ嬉しいです。どうもありがとうございました!



 

秋のガーデントーク

更新日:2012年10月6日(土) 【nakata Labs  なかたラボ】

今日は「秋のガーデントーク」を開催しました。



美術館の裏山と庭園を散策しながら、植物の解説を聞こう!という企画です。

講師は、大好評だった前回6月に引き続き、浜田展也さん。

尾道東校等学校の先生で、植物の専門家です。


 

 

今日、主に解説していただいた植物は全26種!

ざっと並べてみると、

イロハモミジ

ムラサキシキブ

大板屋名月

トサミズキ

ドウダンツツジ

キキョウ

チリメンモミジ

ヤブラン

タギョウショウ(赤松)

アサザ

ミツバツツジ

ソメイヨシノ

レモングラス

オニマタタビ

ブドウ

アキニレ

モクレン

ハゼラン

ランタナ

センダングサ

ヌスビトハギ

ハイヌスビトハギ

クロガネモチ

グアバ

ホトトギス

シュウメイギク


これでも裏山と庭園にある植物の、ごく一部です。

涼しくなってきて、ツツジや紅葉などは、少しずつ色づいていました。



じっくりと観察しながら、それぞれの特徴、原産、名前の由来、今の時期ならではの見どころや

様々な形をした種や実、「つる」や葉などを観察しながら、その仕組みと機能について教えていただきました。


 

大きな赤い葉っぱを、月に見立てて「名月」と名付けられたモミジや、

種の形を足跡に見立てて「盗人」と名付けられた草。

昔の人はうまいこと言うもんですね。


これは種の形が足跡のような「ヌスビトハギ」の仲間。

 



かと思えば、英語の「herb ハーブ:有用な草」も、「grass グラス:イネ科の草」も、

全部『草』のひとことにまとめてしまったり・・・。

こちらは、ロセアンの人気メニュー「フレッシュハーブティー」でも使われるレモングラス。

さわやかで少し甘い香りです。 (ロセアンでは三原の梶谷農園さんから仕入れています。)



また、例えば「外来種」というと害のある植物というイメージがありますが、可愛らしい花ですっかりなじんでいる木や、

日本の葛やスイカズラなど、逆に海外で「外来種」として迷惑になっている植物もあること、

水害などで裸になった土地や、砂漠などの厳しい環境で、いち早く育つ強い植物であることも知りました。


そして、何かの実に見えるこちらは、「ヤママユガ」という蛾の繭



なんとこの繭から、絹と同じように糸を紡ぎ出し、それを織物にするそうです。

繭そのままの、透き通るような鶯色の絹糸になるのだそうです。

しかも、広島の可部で盛んだったとのこと!

初めて知りました。

 

 

もちろん作られたお庭なので、園芸種として改良され、定着した植物もたくさんありました。

環境のこと、そこに棲む虫や菌などの生き物のこと、歴史や文化の話まで、

植物トークはあらゆるスケールで展開していきました。



一人で歩けば15分ほどの裏山と庭園にも、まだまだ未知の発見がありますね!

とっても濃い1時間半で、もっともっと色々なことを知りたくなりました。

ご参加いただいた皆さんと浜田先生に、改めて感謝いたします。


 

 

さて、次回は 12月8日(土) 14:00〜15:30

「冬のガーデントーク」を開催します。

冬には冬の姿と魅力があります。

この頃には、「風景画 fukei-ga」展の作品も、後期のラインナップになっています。

ちょっと先ですが、お楽しみに!

ぜひ、あたたかくしてお越し下さいね。


 

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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