広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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nakata Labs「うつわと暮らす」のお知らせ

更新日:2014年2月28日(金) 【nakata Labs  なかたラボ】

あっという間に2月も最終日。久しぶりのブログ更新になってしまいました。

nakata Labs 「うつわと暮らす」のお知らせです。

陶房CONELの大槻悠希さんと一緒に、陶芸で花器をつくります


2012年のLetters展「目の色とかたち」では、

大槻さんと一緒に、ボタン作りのワークショップをしました。

土を触って形にする、ひたすら無心になれます。


 

 

この時は作品を観察し、その中からみつけた形をボタンにしました。




今回は、花を活ける器を作ります。

花を描いた静物画の中でも、名脇役は花器。

観察してみると、実にさまざまな器が使われています。

なかなか実生活では参考にならない、すごいものも多い


ですが・・・逆に良いヒントがあるかもしれません。

すてきな椅子や机も展示していますので、

それらも観察して自分の暮らしにしっくりくる器を作ってみましょう!

 


うつわと暮らす

316日(日)14:00〜16:00

定員:6
講師:大槻悠希(陶房CONEL)
参加費3,000
汚れても良い服装でお越し下さい

料金は焼成・材料費・観覧料込みです。

ぜひぜひご参加下さい。

 

さて、たくさんお問い合せいただいています、庭園の名物しだれ梅ですが、

例年よりゆっくり開花中です。



つぼみ混じりも良いものです。

見頃はこの週末以降でしょうか。


 

早く春になってほしいような、でもこの咲くのを待っている時間が、一番楽しいような気もしますね。


こちら↓でも随時、お知らせしています。

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facebookhttps://www.facebook.com/nakatamuseum



 

 

ガーデントーク「花の絵と木の家具」

更新日:2014年2月5日(水) 【nakata Labs  なかたラボ】

先週のガーデントークの様子をご紹介します。

講師は浜田展也先生。高校で教鞭をとる傍ら、論文や書籍の執筆など

研究活動をずっとされています。



そんな浜田先生に、「花の絵と木の家具」と題して、展示中の絵画や家具について、

植物学の見地から解説をしていただきました!


絵画に描かれる花で、一番多いのはやはりバラですが、

先生から見ると、だいたいの作家は花はよく特徴を見ているけど、葉っぱが適当だそうです(笑)

鋸歯(きょし)と呼ばれるギザギザまでよく描いているのは、藤田嗣治やラウル・デュフィでした。


 

 

 

北川民次がデフォルメしたバラの葉っぱは、それだけ見るとぽってりして椿のようです。


 


似せて描くだけが表現ではないとしても、確かに椿っぽいですね。


さて、家具も見ていきます。

展示しているなかで多く使われている木は「ビーチ」

日本語ではブナのことですが、漢字は「橅」。 木偏に“無い”と書きます。

 


もともと柔らかくてスキ間が多く、歪みやすい性質で、

その昔は、家具や柱には向かないし、炭にしてもぼろぼろ崩れてしまう。

薪にするくらいしか、使い道が無かったのだそうです。


現在では、木材を歪みなく乾燥させる技術によって、利用できるようになりました。

ビーチ材の家具というのは、ある意味で科学の結晶!とも言えそうですね。


こちらは、ちょっと落ち着いた色合いのオーク。

 

 

 

「オーク」は、ナラやカシなど、ドングリの総称ですが、家具に使われるのは、たいてい「ナラ」のほうだそうです。

狂いが出ない、硬い、重い、などほか、隙間が多く湿気を吸う性質があり、樽にするとぐっと締まって良いのだとか。

全体にうっすら見える筋が木目で、色が濃くぽつぽつと見えるのが、導管の周りの硬い部分。

成長が遅いほど、木目が細かくて、硬い木になるのだそうです。

 

 

 

こちらのアンティーク調の椅子は、ソロモンマホガニーでソロモン諸島の周辺より。

テーブルは、シルバーハートでアフリカから。


家具が持つ雰囲気はヨーロッパですが、木は熱帯系。

遠くから材が運ばれて来ているのだと思うと、よりドラマチックに見えてくるから不思議です。


こちらはブナ。

広葉樹の森ならではの明るさが、家具になっても息づいているようだと浜田先生。

木の質感が部屋の中の空気まで変えてくれるような気がしますね。


絵画のほうも見ていきましょう。

バラ以外にも色んな花が描かれています。こちらは香月泰男の〈芙蓉〉。



シンプルな造形ですが、花びらの筋や、斑点の模様、つぼみの形など、よく特徴を掴んでいるとのこと。

画家の観察眼が伺えますね。

 

 

こちらは仲田好江の〈花椿〉



ふわっと、あいまいに描かれていますが、

花の真ん中に雄しべがたくさん集まっている様や、

花びらに紅白の絞りがあるように見えたり、と椿らしさがあることが分かります。


椿は冬、昆虫がいない時期に花を咲かせるので、虫より大きな鳥でも花粉をくっ付けてくれるように、雄しべをぎゅっと塊にしているのだとか。

色んな花の特徴それぞれに、それが残ってきた理由があるんですね。

 

 


最後に、浜田先生の印象的な言葉から。

それぞれに異なるデフォルメしていても、どうして皆それが「バラ」だと認識できるのか、

しかもなぜ、それを見た人が共通して「美しい」と感じるのか、

サイエンスから考えてみると、すごく謎めいているというのです。

 

例えば「バラ」は人間に美しいと思われ、守り育てられることで、種としてたぐいまれな発展を遂げています。

でも人間にとっては、バラを美しいと感じることにどんな理由があるのでしょう。

 

花を描いた、その背景の模様まで唐草だったり・・・。


 

 

花瓶にまで花が描かれていたり・・・。

 

 

 

絵画だけにとどまらず色んな場面で、植物や花をあらわしたものが、私たちの身の回りには溢れています。

「植物=美しい」、「バラ=美しい」とされる文化のもとに生まれて、こうしたものに囲まれて育つことで、後天的に刷り込まれているのでしょうか。

それでも、これほど脈々と受け継がれているのも不思議です。

 


たとえ明確な答えはないとしても、あれこれと想像して、考えを巡らせてみるのはとても楽しいですね。

今回も大変中身の濃い、楽しい時間になりました。

浜田先生、お集まりいただいたみなさま、どうもありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

Throwing a Spoon  「awakening」  

更新日:2014年2月2日(日) 【コンサート】

先日、ミュージアムコンサート 「awakening」 を開催しました。

 

1年半前にも「Night Program」でお招きしたトウヤマタケオさんと徳澤青弦さん。

もともと演奏家でもあり、作曲家でもあるお二人が、2012年にデュオThrowing a Spoonを結成しました。

その初めてのアルバム「awakening」を携えてのツアーです。


 

 

会場は第一展示室。

今の展覧会で家具を展示している場所に、ピアノが見事にはまりました。

ちなみに徳澤さんのための赤い椅子は、マルニ木工さんの“TRADITIONAL”です。

 

 

当日はほぼ満員。多くの方にお越し頂きました。

演奏が始まると、二人のチェロとピアノの音色が融け合って、素晴らしく良く響きます。

いきいきした音で、会場全体が満たされていきました。


 

譜面どおりになぞるのではなく、即興を交えて行われる演奏。

トウヤマさんは「現場によってどんどん変化していくと思います」とのこと。

アルバムとライブで、ぜんぜん印象が違います。


 

抑制されたメロディーが、重く軽く重なり合って、無邪気になったり、解放されたり。

でも心地よい緊張感もあって、どこからどこまでが即興なのか分からないくらいに、よどみがなくて・・・。



曲を、あえて形になりきらないままの状態にしているのだとも言っておられて、

まさにその形にならなさ、あいまいさの中に、こんなにも豊かな音があるのだなあと思いました。

 

ご来場いただいた皆さまの、終演後のきらきら、ふわふわ、ほくほくした表情も忘れられません。

思い出す度に、静かな多幸感で包んでくれるような、そんな演奏でした。


Throwing a Spoonのお二人、お世話になった各所の方々、ご来場いただいた皆さま、

本当にありがとうございました!

 

今回のツアーは福岡から始まって、熊本、そして尾道でした。

本日(2/2)は岡山で、また大阪、東京と続くそうなので、ぜひぜひぜひ、

たくさんの方に体験していただきたいと思います!

 

 

 

 
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音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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