広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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展覧会最終日のコンサートでした。

更新日:2013年6月23日(日) 【展覧会】

本日、チェンバロミュージアムコンサート『緑の菩提樹の下で』を開催しました。

副題は「語り合う2台のチェンバロ」。 チェンバロを2台使ったコンサートです。



 こちらが今回使った、小型チェンバロ「イタリアン・ヴァージナル」

 

 


なかた美術館所蔵のチェンバロと同じく、久保田 彰さんのチェンバロ工房で製作されたものです。

木の素材感を活かした装飾が素敵です。




弦は、鍵盤に対して横方向に張られています。

 


ソロや連弾、合奏で、様々な時代、国のバロックの曲をお届けしました。

凜としたソロ、力強く重層的な合奏など、チェンバロの音色が幾通りにも変化して驚きます。



ヴァージナルも小さいけれど、音はしっかり!

大きく弾けるように響いて、リュートやギターに、より近い音色です。


 

楽曲も、「バロック」と一口に言っても、時代や国によって傾向が異なっていて、

例えばイタリアは、明快で力強いメロディで、フランスは優美で艶やかであったり、

絵画の歴史にも似ているなあなどと思いました。



次回のコンサートのお知らせです。

8月11日[日]

シチリアーナ

リコーダーとリュートの雅な調べ


なんと、10人編成の古楽アンサンブルと、チェンバロの共演!


夏にぴったりの迫力あるコンサートになりそうで、楽しみです。
 
 
さて、なかた美術館コレクションプラス「感じる光、感じる色彩。」も、本日が最終日でした。

 
この中で、4点の油彩画を展示したジョルジュ・ルオーは、実は音楽にも深い縁がありました。
 
父親は家具職人で、ピアノの仕上げ塗りなども手掛けており、また妻がピアノの教師でもあったのです。




そして、ルオー自身も、絵を描きながら、よくバッハなどを聴いていたそうです。
 
ルオー作品と、バロックの音楽世界は通じるものがあるような・・・と、今日聴きながら改めて感じました。

 
 
 
 
音楽に彩られ、いつにも増して名残惜しい最終日でした。

とは言え、来週から展示替えです!


6/24[月]〜28[金]は、展示替えのため休館で、

6/29[土]からは なかた美術館コレクションプラス 「Paysages 風景画」 を開催します。

 
 
 
現代の風景表現と、コレクションに観る近代の風景画たちを組み合わせて展示いたします。

尾道の風景や、遠い異国、過去と現在、様々な光景が、展示室いっぱいに広がります。

また詳しくお知らせしますので、どうぞご期待下さい!
 
 
 
 
 

いろいろなフレーム

更新日:2013年6月12日(水) 【nakata Labs  なかたラボ】

ご近所の幼稚園から、みなさんがなかた美術館へ来てくれました!



今日はこんな「額」を、ひとりずつ手に持って、色んな絵を見ていきました。



ちなみに、ルオーの描いた《ソランジュ》という作品の額です。


 

描かれた人や花、町、となりの友達も。


 


描かれた人の真似っこしている先生を、額の中に入れてみたりしました。



なんだかよく見えるような気がします。

額が違うと、絵の印象も全然ちがいますね。




 



「額」は、持って帰ってもらいました。

きっと、外で、空や街並みなどを見てみるのも良いですし、

自分の絵や、写真なんかを入れてみても楽しいと思います。



これを使って、色んなものを見てみてくださいね!

 

 

 

Museum books ミュージアムブックス

更新日:2013年6月9日(日) 【nakata Labs  なかたラボ】

本日、nakata Labs のワークショップ「Museum books ミュージアムブックス」を開催しました。

美術館の中で、美術にまつわる言葉について、一緒に考えてみましょう、ということで、

ルオーの作品について書かれた文章を題材に、その書き直し!にチャレンジしました。



講師は、尾道の光明寺會舘を拠点に、zine(小冊子)を発行する「AIR zine 編集室」から。

福山大学の助教で、メディア論がご専門の阿部純さん。

そして、福祉施設職員で美学がご専門の津口在五さん。

ちなみに、お二人とも、そして参加者の方も、「ルオーのことは全然詳しくない」という状態でスタートです!



 

まずは展示中の、年代の違う4つの展示中のルオー作品を見て、

 「作品だけ」を見て読み取れることを、カードに書き出していきます。

解説パネルは外してますが、キャプションだけは残してあります。


「何が描かれていると思いますか?」

「描き方の特徴は?」

「全体の印象は?」


という3つの質問を用意しました。 

 

例えば「ソランジュ」という作品では、

色の鮮やかさから“南国”

笑顔なので“うきうきした若い女性”

とても執着して描いているいるように見えるので“恋人や愛人?”

といった言葉が出て、見る人によって色んな物語が想像されていること、

そして、私だけは「答え」的なものを知っていて、みなさんのような発想ができなくなってしまっていることもよく分かりました。



続いて、いよいよ文章の書き換えです。

批評家の小林秀雄氏や、哲学者の谷川徹三氏がルオーについて書いた文章を、

阿部さんと津口さんの、分かりやすく、かつ鋭いリードのもと、

みなで読みながら、ふせんを貼って書き込みをしていきます。


これってカタカナ語じゃなくてもいいのでは?とか、

難しい抽象的な言葉を解体してみたり、

日本語から日本語へ、わかりやすく「翻訳」してみよう!という感じです。


 

それぞれの書き込みを共有してみると、

「ここは分かりづらい!」とか「この言い方はもっと説明してほしい!」と感じる部分は、けっこう共通していること、

「絵」の説明にどれほど言葉を費やしても、(逆に言葉が多いほど?)わかりにくいこと、

“〜のような”といった比喩や暗喩を使わざるを得ないということが浮かび上がってきました。


最後は全員の書き込みがされた文章を、本としてつづりました。





 


お高くとまりがちな美術批評に対して、難しい!よく分からない!って言い合えて盛り上がったり、

何だかんだと言いながらも、ルオーに対する、それぞれの著者の熱い思いもよく伝わってきましたし、

ワークショップを終えてから作品を見ると、改めて発見できることがあったり、さっきは首をひねったことに納得できる部分があったり・・・。

そして私も、「学芸員」としての普段の解説や、展示パネルの文章が、いかに見る人の作品への理解を左右しているのかを実感して、その責任を感じました。



たいへん実りの多い時間でした!

参加してくださった方、阿部さん、津口さん、どうもありがとうございました。

今後も、このワークショップには色んな展開ができる可能性があるなあと思っています。

どうぞお楽しみに!

 

 

 

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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