ガーデントーク開催しました!
更新日:2012年6月30日(土) 【nakata Labs なかたラボ】
本日、とうとう明日までとなった、
15周年記念なかた美術館コレクション「Flowers」。
その最後の関連イベントにして、初の試み「ガーデントーク」を開催しました!
尾道東高等学校で教鞭をとるかたわら、植物の研究者でいらっしゃる
浜田展也 先生を講師にお招きし、美術館併設のお庭+裏山を、
散策しながら、お話をきくという企画です。
先生のご経歴は、ざっと書くだけでも、
島根大学理学部生物学科植物生態学研究室卒業
日本生態学会、
日本植物分類学会、
植物地理分類学会、
日本シダの会、
日本すげの会、
日本野鳥の会、
日本鳥類保護連盟会員
広島県野生生物保護推進員[オグラセンノウ]
生物分類技能検定[植物] 2級
という・・・どうすごいのか、分からないくらいすごい方。
(ちなみに、先生の「浜」の字は、本当は難しい「浜」です。)
そして「ガーデン」と言いつつ、日本庭園+山なので、
こんな軽く登山をしているかのような感じになるのです。
百合の花びらの秘密、笹と竹の違い、松の葉っぱの数などの話から、
動物とまったく違う植物の生態や繁殖について、種の絶滅の「タイムリミット」など、ディープなテーマまで、
たった一時間でも、書ききれない程たっぷりのお話を伺いました。
皆さん熱心にメモ。ときおり色んな質問も。
草花、樹木、果樹、多肉植物、キノコ、シダ・・・
とにかく、先生の知識の深さ・幅広さ、植物の多様な面白さにびっくり!
そして(手前味噌ですが)、こんなに色々生えているうちの裏山ってすごい!と思いました(笑)
あいにくの雨(とヤブ蚊)でしたが、しっとりした木々の中を歩いていくのも、気持ちよく、楽しいひとときでした。
植物についてまったくの素人である私。
解説していただきながら歩く裏山は、いつもとまったく違う魅力と、奥行きを持って見えました。
私がギャラリートークをするときも、来館された方にとって、作品や展示室が、
そんな風に新しく見えると良いなあと思ったのでした。
皆様、浜田先生、どうもありがとうございました!
さて、なかた美術館では、美術館を幅広く楽しい「学び」の場に!という目標の下、
今後もたくさんのイベントを開催していきます。
次回のイベントは
7月7日(土)14:00〜
「古武家 賢太郎 展 Letters」 アーティストトーク
です!
作家の古武家 賢太郎さんに聞く、制作について、ロンドンアート事情などなど!
参加費は展覧会チケットのみ。(詳細はこちらから)
気になっている皆様、ぜひぜひご参加下さい!
コンサート 「初夏の調べ 〜クラリネットとチェンバロ〜」
更新日:2012年6月24日(日) 【コンサート】
本日、ミュージアムコンサート 「初夏の調べ 〜クラリネットとチェンバロ〜」を
開催しました!
心配していた雨も降らず、多くの方にお越し頂きました。
オーケストラではよく登場するクラリネット。
間近で聴くと、なめらかに、優しく響く音色が印象的でした。
バロックの代表曲や民謡の『クラリネットポルカ』など、
どこか懐かしさのあるチェンバロと、クラリネットの幅広い音色が相性もよく、
クラリネットののびやかな響きは、ジャズのような現代的な曲にもぴったりでした。
圧巻は、シュライナーの『段々小さく』という曲。
なんと、演奏中にクラリネットが、だんだん分解されていくのです!
まず下の広がった「ベル」を外し、
次に「下管」を外し・・・・・といった感じで段階的に分解され、
その都度、音色が変わっていきます。
見た目は、まさにクラリネットが「だんだん小さく」なる!
最終的には、なんとリードとマウスピースだけで、高らかに締めくくられました。
これには、みなさんびっくり!
楽器と音楽の、奥深い魅力を存分に味わうことができました。
皆様どうもありがとうございました。
次回のチェンバロコンサートは
8/5(日)
夏の音 ~笙、舞い、チェンバロ~
詳しくは、コンサートのページへ
そして、7/21(土)には、
定期のコンサートとは別の、夜のコンサート「Night Program」を開催します!
トウヤマタケオさん、徳澤青弦さん、二人の素晴らしい音楽家をお招きします。
こちらも、近日中に詳細をお知らせします。ぜひお楽しみに!
15周年記念の特別講演会を開催しました!
更新日:2012年6月15日(金) 【展覧会】
開催中の「Flowers」に関連して、
美術評論家の木島俊介さんをお招きして、
絵画にとっての「花」、静物画の歴史についてお話いただきました。
人が描いたのは、まず「動物」や「人」で・・・、と絵画の歴史をたどりながら、
植物の、発芽から花が咲き、種になってまた発芽・・・というサイクルから、人々は復活や再生という概念を生んだこと。
描かれる花にバラが多いのは、色んな地域で育つから=色んな神話や寓意が生まれたので」というお話や、
チューリップの品種が多いのは、オランダの画家が自分の描きたいチューリップを育てていったから・・・など、ちょっとトリビアルなお話、
オランダで登場したとき「スティル・レーベン」=「静止した・生きているもの」という意味だった『静物画』という概念が、フランスでは「ナチュール・モルト」=「死んでいる自然」になってしまった不思議。などなど。
一冊の本を読むような、素敵な講演会でした。
そして、今わたし達が当たり前のように見ている
「花」を自由に描いた様々な表現に至るまでに、
長い長い変革の歴史があることを再認識しました。
色んな作品を、もっともっと知りたいなと思いました。
お越し頂いた皆様、木島さん、どうもありがとうございました!
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。