
更新日:2020年7月1日(水) 【コンサート】
6月28日、約半年ぶりのミュージアムコンサートとなる『名曲の花束 フルートとチェンバロで』を開催しました。
フルートの岡野映さんとチェンバロの小田郁枝さんの共演です。
『名曲の花束』と題した通り、〈ゴールドベルク変奏曲 アリア〉、〈歌の翼にのせて〉、〈主よ、人の望みの喜びよ〉など、バロックからロマン派まで名曲ぞろいのプログラムです。
現代のフルートは多くが金属で作られていますが、チェンバロが活躍していたバロック期のフルートは木で作られたシンプルな形で「フルート・トラヴェルソ」と呼ばれています。
今回はトラヴェルソではありませんが、木で作られたフルートと金属のフルートの2つを使い分けながら演奏していただきました。
上が木でできたもの、下が金属でできたものです。ご覧の通り、太さもかなり違っていますね。
金属のフルートは音が華やかで大きく、よく響きます。
木のフルートは、よりやわらかく、やさしい印象の音色でした。(太いぶん息を多く使うので、演奏はとても大変とのこと)
チェンバロも本体は木で、弦は柔らかい真鍮でできているので、木のフルートと相性もぴったりでした。
久しぶりの音楽の時間をお楽しみいただけたでしょうか。
ご来場の皆様、出演のお二人、どうもありがとうございました。
美術館として、みなさんに心休まるひとときをご提供できるよう努めてまいります。
6月24日以降、ご来館の皆様へのお願い は以下の通りです。
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・発熱や咳など体調不良がある場合は、来館をご遠慮ください。
・館内での咳エチケットや、適宜マスクの着用にご協力ください。
・アルコール消毒液やハンドソープを設置していますので、ご自由にお使いください。
・館内では大きな声での会話を控え、人との距離を保ってご鑑賞ください。
・やむを得ず入館制限を行う場合がございますので、ご了承ください。
・団体鑑賞の受け入れや館内でのイベントについて、対策を施した上で順次再開しています。
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ご不明な点などあれば、お気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
次回のチェンバロミュージアムコンサートは
7/26(日)『歌声で綴る 懐かしの叙情曲』
同じく対策をして開催予定です。詳しくは コンサートのページ をご覧ください。
更新日:2019年12月23日(月) 【コンサート】
こんにちは。もう間もなくクリスマスですね。
美術館のロビーにも、大きなツリーを飾っています。
nakata Labs『木曜日の絵画教室』で、子どもたちが作った楽しいオーナメントも飾っていますのでご注目ください!
心躍るこの時期にあわせて、ミュージアムコンサートを開催しました。
小田郁枝さんによるチェンバロと、岡野 映さんによるフルートとのアンサンブルです。
お届けした曲は、コンサートのタイトルにもなっているグルックによるフルートの名曲《精霊の踊り》、
そしてバッハによるフルートソナタやシチリアーノ、
おなじみのアリアやアヴェ・マリア、そして《さやかに星はきらめき》などのクリスマスキャロルです。
敬虔なキリスト教徒だったバッハにとって、音楽は神に捧げるものでした。
そのため、神・キリスト・聖霊を表す「三位一体」の数字の “3” が、音づくりや全体の構成に深く関わっているのだそうです。
確かに、聞いているとめくるめく音の世界に引き込まれて、バッハの気持ちがわかるような気がします。
またJ.S.バッハの全集に収められているけれど、本当は息子のC.P.E.バッハ作の曲という説が有力で、
いったん外されたけど再び収められて・・・などなど楽しいお話も交えながら、本格的なバロック音楽をお届けしました。
あいにくの雨でしたが、やわらかな音色に包まれて、心あたたまる時間となりました。
ご参加いただいた方々、出演のお二人に感謝申し上げます。
皆様も、どうぞ素敵なクリスマスをお過ごしくださいね。
次回のチェンバロミュージアムコンサートは、2020年4月に開催いたします。
詳細が決まり次第、このブログやチラシ等でお知らせします。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
更新日:2019年11月2日(土) 【コンサート】
先日チェンバロミュージアムコンサート『フランス音楽の流れを訪ねて』を開催しました。
今回は音楽と朗読とレクチャーをあわせたコンサートです。
フランス音楽の歴史を紐解くお話をしながら、
音楽は永瀬拓輝さんによるバロックチェロと小田郁枝さんによるチェンバロのアンサンブルを、
そしてフランス語の「詩」の朗読に、筑波大学や広島大学など数々の大学で教鞭をとってこられたサントニ ジャン・ガルリエルさんをお招きしました。
プログラムは中世ヨーロッパの教会で、楽器を用いずに大勢の声で歌われていたグレゴリオ聖歌のアレンジからはじまります。
長らく声楽が音楽の中心であり、言葉と音楽はとても重要なつながりを持っていました。
そしてルネサンスを経て、楽器製作の技術の高まりとともに器楽が盛んになり、
17世紀のバロック時代以降、チェンバロをはじめ多彩な楽器を用いて、数々の魅力的な楽曲が生み出されてきました。
クープランやラモーといったバロックの巨匠たちから、サン=サーンスやラヴェルなどおなじみの作曲家たちまで、時代の変遷を演奏とお話でお届けしました。
王侯貴族が芸術文化を育んでいた華やかな時代、そしてチェンバロが貴族文化の象徴であったがために、革命によって破壊され廃れてしまったこと、また古典が見直されることで復活してたこと…
歴史に思いを馳せながら演奏を聴くと、ひとつひとつの音色が深く心に沁みわたりました。
フランス語の響きもまるで音楽のようで、実際に耳にすることで言語と歌、詩と音楽のつながりが実感できました。
また詩人アポリネールと、ただいま美術館で作品を展示しているマリー・ローランサンはかつての恋人同士。
セーヌ河の流れに、その失恋を重ねた『ミラボー橋』も朗読され、絵画と詩の共演で、20世紀初頭のパリにタイムスリップしたかのようでした。
いつもと少し違った趣向でお送りしましたが、たいへん多くの方にご参加いただきました。
どうもありがとうございました!
日に日に寒くなってきて、イベントがたくさんの冬がやってきていますす。
次回のチェンバロミュージアムコンサートはいよいよクリスマス。
12/22(日)
あたたかみのあるフルートとチェンバロの音色でクリスマスを彩ります。
ぜひご参加ください。