広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
トップページ ≫ スタッフのブログ

ワークショップ「キッチンで絵具作り」を開催しました

更新日:2021年10月16日(土) 【nakata Labs  なかたラボ】

 

先月開催したワークショップ、「キッチンで絵具作り」のご紹介です。

絵画は基本的に四角いキャンバスや紙の上にいろんな描画材で描かれています。

私たちは作品を鑑賞するときに、「何が描かれているか」と考えることが多いと思いますが、

細分化してみると、キャンバスは糸と木、油絵具は顔料と乾性油など

様々な素材が組み合わさって構成された物体です。

 

 

前回の展覧会「PaintersCollection2021」様々な表現方法の絵画をご覧いただきましたが、

絵画という概念を広げて違った角度から見てもらえるかな・・・と思いこのワークショップを開催しました!

 

 

絵具は「顔料」という岩や土など自然の素材、石油などを化学反応させて作った「色の粉」に定着材を混ぜて作ります。

顔料に油を混ぜると油絵具、アラビアゴムを混ぜると水彩絵の具、蝋を混ぜるとクレヨンになります。

さて、今回は「キッチンで」ということで、顔料の代わりにいちごパウダーや抹茶、スパイスなど

口に入れても安全な素材にしました。

 

 

 

 

 

そして定着材には卵黄を使いました。

卵黄を定着材に使った絵具は「テンペラ」という技法の一種で、古くから多くの画家が使用してきた絵具です。

いちご、抹茶、卵・・・なんだかお菓子作りのようになってきましたね!

 

 

上のみどり色は抹茶の粉、下の黄色はターメリック。

想像以上に鮮やかな色でした。

 

 

 

 

他にもパプリカパウダーや赤ワイン、お醤油も使ってみました。

比べると色の違いがよくわかります。

食べ物なので、描いている間いろんな香りも楽しめました。

 

 

 

 

実は今回のように食べ物で描いた絵は、数日経つと変色してしまいます。

美術館にある絵画は、経年や化学変化にも耐えて当たり前のように存在していますが

実は現代まで残っているのは奇跡的なことなのですね…

なんて思いながら、楽しく皆さんの描いた絵を眺めていました。

 

参加者の皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

展覧会『遠景の絵画』が始まりました

更新日:2021年10月15日(金) 【展覧会】

10月9日(土)から展覧会『遠景の絵画』が始まっています。

コレクションからカミーユ・コローやモーリス・ユトリロ、ポール・アイズピリや、梅原龍三郎、野口弥太郎、中根寛など、19世紀以降の様々な画家が描いた風景画を展示しています。

 



絵画の大きな特徴のひとつは、遠近法を使うことで、平面でありながら奥行きを表現できることです。

 


 

尾道といえば、きっと皆さん思い浮かべる風景のひとつが、千光寺山から見下ろす尾道水道ではないでしょうか。

尾道を描いた作品に見られるような、大小の島々が連なる瀬戸内海の景色は、遠近法を存分に発揮できる画題と言えます。



絵画は、遠く離れた場所を、まるで目の前にあるかのように描くこともできます。

 

 

展示作品のなかには、カンヌやサントロペ、ヴェネツィアなど海辺の街や、シエナ、タンジール、ブルージュなどヨーロッパの古都、パリの賑やかな街角など、様々な土地が描かれています。

色とりどりの作品から、画家がその風景を目にしたときの心情が伝わるでしょうか。ぜひ、ともに旅をするようにお楽しみください。



そして時間を越えて、遠い日々のことを私達に伝えてくれるのも絵画の力です。

尾道に拠点を置き、風景画家・民衆画家として生きた小林和作の足跡をたどる企画コーナーを設けています。

 


今、尾道では「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」さんによる小林和作の旧居の本格的な再生がスタートしています。

本展では、この旧居から和作が身近に置いた品々や、パレット、スケッチブックなどをお借りしました。


あわせて、尾道の仲間たちと発行していた同人誌《随想おのみち》も含め、和作の創作活動を多角的にご紹介しています。

一人の画家を出発点にして、尾道の街の過去や未来のあり方を想像するきっかけになれば嬉しいです。


 

『遠景の絵画』の会期は2022年2月27日(日)までです。

この機会にぜひ足をお運びください。

 

 

 

なかた美術館の新型コロナウイルス感染予防対策は以下の通りです。



― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

・発熱や咳など体調不良がある場合は、来館をご遠慮ください。

・ご来館の際はマスクの着用をお願いいたします。

・入館時に手指の消毒と検温にご協力をお願いいたします。

・館内では会話を控え、人との距離を保ってご鑑賞ください。

・やむを得ず入館制限を行う場合がございますので、ご了承ください

 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


※感染防止対策(換気や屋外での開催、定員の縮小、マスク着用等)を徹底した上で、関連イベントも順次再開しております。

※混雑具合や、ご不明な点など、お気軽にお問い合わせください。







 

夏休み子ども絵画教室「ペインターになろう!」後編

更新日:2021年8月18日(水) 【nakata Labs  なかたラボ】

 

こんにちは!

先日開催した夏休み子どもワークショップ「ペインターになろう!」の後編をお伝えします。

 

各地で大雨が続いていて心配ですね。

ちょうどこの日は雨も上がり、子どもたちも元気に美術館にやってきてくれました!

今回は出品作家である古武家賢太郎さんの作品に注目して絵を描きます。

 

 

 

古武家さんの作品は、板に色鉛筆を使って描かれています。

色も鮮やかで、描いてあるモチーフも人や花、風景など親しみやすいものが描かれて、

一見すると明るい印象の作品ですが

よく見ると、人々の内面を映し出そうとする古武家さんの冷静な目が見て取れます。

 

まずは古武家さんの絵の登場人物の「顔」に注目。

 

 

 

 

目が5つあったり、鼻や口が2つあったり少し不思議な顔立ち。

表情もどこか遠くを見つめているようで、どんなことを考えているのか掴むことができません。

子どもたちからは「ちょっとこわい」という意見も出てきました。

 

 
 
 
 
 
 
 
次に最も印象的である「目」をスケッチしました。
 
絵の中の瞳は水晶玉のようにキラキラとしていて、特徴を捉えています。
 
 
 
 

 

 

どうしてちょっとこわいと思うのだろうか、どうして目をたくさん描くのだろうか。

作家の気持ちを想像しながら、木片をつなぎ合わせてちょっと不思議な顔を作りました。

 

 

 

 

 

 

つぎはぎに広がっていく作品。

おもしろいものができそうな予感。

 

 

 そして完成した作品がこちらです!

 

 

 色も鮮やかで、古武家さんの作品の特徴を捉えています。

 

 

目がたくさん並んでいます。

木片の形を生かした作品です。

 

 

 

夢中に作っていると、どんどん大きくなってこんなサイズになりました!

 

 

 

 

 

 

 

作品や木そのものの形からインスピレーションを受けて、みんな夢中になって作品を作っていました。

一体何ができるんだろうと、私たちもワクワクしながら見ていました。

 

参加者の皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

 
前の記事へ≪  13  14  15  16  17  ≫次の記事へ
広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

ページ先頭へ戻る

 
サイトマップ  →著作権

〒722-0012 広島県尾道市潮見町6番11号
TEL. 0848-20-1218

「なかた美術館」は、(株)ナカタ・マックコーポレーションにより運営されています
ナカタ・マックコーポレーション
 
copyright
広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も出来ます。